エブリーチョイス
八重瀬町の「みなみの駅」を後にして、昼食をとりに行く。ここから自宅まではほぼ一本道なのだが、通り沿いに目に入るのは沖縄そば店ばかり。他になにかないのかと、妻の運転する車を走らせながらネットで調べても、同じく沖縄そば店ばかりだ。そばを食べるなら、先ほどのトゥブーそばを食べている。
「ほら、この先にステーキハウスだって。」
運転していた妻が前方左を指差す。ステーキハウスエブリーチョイス。ネットで検索すると、評判もいいようだ。風邪で食欲がないが、妻は肉中心に食べないとダメなので、ハンバーグでも食えばいいかと思い、ステーキハウスに決定した。
507号線からかねひでの交差点を左に曲がり、次の大きな交差点をまた左に曲がると、いくつも店があった。こんなにも拓けていたのかと、二人で驚く。エブリーチョイスは大きな駐車場なので、車を停めるのもラクだ。
ランチメニューはエブリーランチとチキンドリアをセレクト。
ドリアにはサラダとスープがついている。ランチはスープのみだ。ポタージュと思いスプーンをカップに入れると、抵抗なく入った。ん?一口飲む。サラッとしている。オニオンスープだ。これなら妻も飲めるだろう。味はポタージュに似ているが、軽くて塩味も薄めだ。美味い。
ミニサラダはキャベツ中心。スーパーで一玉が三百円くらいする。農家から仕入れてるのだろうか。サウザンドレッシングをかけて食べる。シャキシャキして美味い。冷たい野菜が心地よい。1月とはいえ、今日の沖縄の気温は20度だ。
エブリーランチステーキ、ハンバーグ、鳥カラ、エビフライ、ソーセージ、玉子焼きのプレートだ。すごいボリュームなのだ。
ドリアはロイヤルホストみたいなのを想像していたら、いい意味で裏切られた。すごい。鉄板の上のドリアは初めてかもしれない。記憶にない。
胡椒をかけてスプーンを入れる。大きなチキンがゴロゴロしている具だくさんドリアだ。これがスプーンで簡単に切れてしまうほど柔らかい。ご飯少なめ。凄い!カロリー控えめ、ヘルシードリアだ。熱々を口に気をつけて入れる。薄味だ。チキンの味が濃厚だ。クセのないホワイトソースにチーズが混じり、濃厚で柔らかいチキンとライスが一体となって口の中に味わいが広がる。
美味い。
妻も一口食べる。同じく美味しいという。
食べ応えがあるチキンドリアと言えば、普通はライスが多いものを指すように思うが、これは違う。チキンがタップリ入ってるのだ。ドリアなのに米ではなく、肉を堪能することができる。残念なことに、体調の悪い私にこのボリュームと食べ応えは、キツイ。無念。
エブリーランチのステーキはミディアムレアに焼かれていた。醤油ベースの酸味があるオリジナルソースにおろしニンニクをあえて肉につける。口に入れると、歯ごたえというか弾力のある肉だ。固くはないが、噛むのに力がいる。肉はビーフの臭みがない。いい肉なのだろうが、今の私には食べるのに体力がいる。一切れでギブアップだ。と言うか、これは鉄板にのせる焼き方ではないだろうか。ハンバーグも一口いただく。ソースはつけない。というかソースがない。既製品か?ステーキ屋なら粗挽きハンバーグでも良さそうだが、これは残念。
トイレは温水洗浄便座付きで綺麗だ。
体調が悪いと食が細る。入院中の父に
「退院したけりゃメシを食え。」
といったものの、一口食べるごとに体力が削がれていく気がする。休まないと次の一口が食べられない。妻が苦笑いしながら私を見ている。妊娠中の妻は食欲旺盛だ。若いし、お腹の中にいるゆうたまの分も食べなければならない。だめだ。私はこれ以上食べられない。ドリアを15%ほど残す。休みたい。家に帰って横になりたい。今の願いはそれだけだ。
ステーキハウスだが、スペシャルランチよりチキンドリアの方がはるかに美味かった。妻は私がドリアを頼むのを見たことがないと言う。体調がすぐれないから頼んだ料理が大当たり。万馬券のようだ、ビギナーズラックだ。ドリアの残りは妻が美味しい美味しいと言いながら食べてしまった。
帰り際、別のテーブルから漂ってきた、肉の焼ける匂いを嗅いで、やはり次こそステーキかと思ったが、店外のランチメニューを見て、牛スジ丼を食べようと心に決めたのだった。
ステーキハウス エブリーチョイス
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)