大分空港
別府駅からバスにて空港に向かう。沖縄から来るときは福岡経由の電車であるが、これから東京なのだ。飛行機でひとっ飛びである。小倉まで電車で向かい、新幹線で行くことも考えたが、六時間以上かかるのでやめた。
大分空港、ここに来るのも久しぶりだと思う。前回はいつだったか、臼杵市で開催された式典と祝賀会に参加したときだったろうか。三年前くらい前だと思う。おんせん県を自称するだけあって、空港でもアピールに余念がない。
空港の到着ロビーを歩いてみた。足湯コーナーまである。時間があればゆっくりとつかりたいのだが、ランチを先に済ませたいので、スルーした。ああ、おんせん県で温泉に入れない不幸な自分。
ランチは四択
さて、何を食べようか。
店は四つ。四択なのだが、ラーメンは無い。心の中では寿司と決めているのだ。とは言え、今までに決めた店の前で心揺らいだことが幾度あったことか。自分の目で確かめて、確信が得られるまでは「決めた」とは言い切れまい。正確には「心の中では寿司が最有力候補」と表現するべきだろう。そう、あくまでも候補なのだ。予定なのだ。確定ではないのだ。超激熱演出でもハズれるときはハズれるのだ。
大分県 大分空港 すし処 宙(そら)
この店だ。大分の魚と聞けば、言わずと知れた関サバ、関アジ、城下カレイ。サバ有り、アジ有り、しかしカレイは完売。というか入荷してないのだろうか。そうだろう、こいつは春から夏がシーズンの魚だ。二月初旬に食べるのは無理だ。
別の店が供する大分の郷土料理にも心惹かれるが、否、初心貫徹ときたもんだ。ここで食べよう。のれんをくぐるとカウンター席に案内された。
上にぎりを注文する。さあ、味合わせてもらおうか、大分の魚とやらを。
上にぎり
ミズイカの耳。歯ごたえあって甘くてうまい。エビは甘くて大きくて食べごたえある。シャリは噛むとほろほろと崩れ始める。
タコ頭。歯ごたえある身を食べる。ツメの甘さ、わさびの香り、最後にタコの旨味。噛めば噛むほど滲み出てくる。たまにはこんな食べ方もいいか。タコの頭が大好きなのだ。
ヒラマサは歯ごたえある身にほどよい脂ののり。臭みなく、独特の旨味が口に広がる。シャリが魚の味を邪魔しない。
マグロはこんなものかな。
コハダは甘すぎず酸っぱすぎず、絶妙の締め具合。ままかりは少々酸っぱすぎる。こいつはいいね。お茶とも合う。ビールが飲みたくなるなあ。
河童巻きはキュウリがたっぷり。みずみずしくシャキシャキとした食感で青臭さが無い。ガリがうまい。厚めで甘さ控えめ。
関アジ
お茶を頼もうとしたら、板前が仲居に声をかけたをよく見ている。ここからはお好みだ。
まずは関アジ。ただのアジでは無い。歯ごたえがすごい。臭みはまったくなく、一般のアジとは別種の魚だ。本当に真アジなのか。身もでかい。
関サバ
関サバ。ものすごくでかい、歯ごたえがすごい。上品というか、脂がくどく無いというのか、臭みがないというのか、これもいつも食べている鯖では無い。
うーん、なぜだろう。いまいち物足りないので、地物のヒラメとサヨリをリクエスト。全体的にお茶が美味しい。三杯目だ。空港でこのレベルの寿司が食えるとはなかなかやるな。シャリは小さめ。ネタは大きめ。嬉しい。
ヒラメ
ひらめ、でかい。えんがわ付き。歯ごたえがいい、ぷりっぷりだ。釣りものだそうである。鮮度がいいのだろう。そのせいか旨味はそれほど感じられないが、美味い。白身の醍醐味だ。
さより
サヨリ。でかい。これも釣りもの。今年は一ヶ月ほど早く取れるという。片身から二貫とれないギリギリのサイズということで、一枚サービス。甘い、歯ごたえもそこそこ。今日一番のネタだ。こんなにデカくて脂がのっている、うまいサヨリは生まれて初めてだ。大分、やるなあ。
ごちそうさま
腹いっぱいだ。温泉には入れなかったが、空港でこのレベルの寿司が食べられるとは嬉しい限りだ。次回はぜひ城下カレイが食べたい。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)