沼津魚いち
沼津に来たからには地魚とアジフライを食べねばならぬ。地魚については、昨晩に沼津魚河岸の寿司を食べる機会があった。美味かった。ならば今度は白飯で食いたくなるのが人情というもの。駅前のビルにうってつけの店を見つけたので、ランチを食べに行くことにした。
駅前のビルに入り、一階をうろつく。ここか。店を見つけた。ランチメニューを見る。ふむ。この自分で選ぶ三色丼が良さそうだ。ドアを開けて、店に入った。カウンター席に通された。
メニュー
オーダーはもちろん三色丼だ。地元ネタはこの駿河産と書かれているやつだな。なんとシメサバがお勧めではないか。生しらす、アジ、しめ鯖である。
ご飯はもちろん白飯、並盛りなのだ。さらにアジフライを単品で追加だ。
午後一時を過ぎているのに、店内にはどんどん客が入ってくる。人気店だ。
ランチ丼
まずは小鉢が出された。味が付いているのでそのまま食べるとのことだ。うん?味がほとんど付いていない。これは箸休め?単品で出てきたので、お通しのつもりで食べてしまったが、酒は飲んでないし、ものすごく薄味だ。めかぶの味を楽しめると言えばそうだろうが、できるなら刺身丼と一緒に食べたかった。
案の定、隣の客は一口食べためかぶに醤油をかけていた。
後から入ってきた客の注文で、お勧めがどんどんなくなる。グッドタイミングで店に入れてよかった、などと考えているところにランチが出てきた。
まずは大きな味噌汁をいただく。出汁が味わい深い。何種類もの素材で出汁を取っているかのようだ。これがプロの味だよ。続いて三色丼だ。生しらすは薄く味が付いている生姜の爽やかな刺激とゴマの香りがしらすの旨味を演出する。なま臭さなどかいむ。苦味もほとんどない。美味い。白飯との相性も抜群だ。
シメサバは好みの浅い締めだ。こちらも味が付いている。薄く醤油がかかっている。口に入れるとシメサバ独特の香りが鼻を抜けた後に、脂の甘みがぐわっと広がる。ああ、美味い。
魚と緑茶の相性もいい。ここは茶どころ、静岡県だ。口の中をさっぱりとさせてくれる。
アジ刺身は、味の濃さこそフライには及ばないものの、弾力のあるぷりぷりとした食感と口に広がる磯の香り。これは生でしか味わえない。臭みがないからこそ美味い。鮮度が少しでも落ちれば、味わうことができないのだ。
アジフライ
アジフライは身がふわふわである。箸がスッと入る。サクッと衣をかじると中から濃縮された味の旨味が口の中に広がる。相方は男性的なソースでも女性的なタルタルでもいい。どちらも美味い。たっぷりのみずみずしい野菜が華を添える。和風ドレッシングなのだ。
ああ、美味い。満足じゃ。静岡茶を流し込み、静かに食事を終えた。
トイレは店からかなり離れた建物内の端っこにある。店から出るときに「ありがとうございましたー」と店員から声をかけられる。まだ金を払ってないよ。トイレに行くだけだよ。男子トイレに入る。二個あるうちの一つが温水洗浄便座だ。
さあ、相模原に向かおう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)