2020年5月29日

牛の心臓を切り刻む女 〜六本木 肉バルノースマン〜

幼馴染み、同級生、学友

いろんな言葉があるが、私にはほとんど縁がない。何せ学生時代の友人とは一人も付き合いがないのだ。小学校は転校4回。中学校はいじめにあった。高校は楽しかったけど地元を離れると疎遠になる。大学もいろいろあって誰とも付き合いがない。唯一、今でも付き合いがあるのが高校の後輩の島田だ。とは言っても通った高校は別々。私と同じ高校の同級生の中学の後輩だ。普通なら接点が無いところだが、同じ吹奏楽部同士ということで繋がり、社会人になってからは同じIT業界にいたこともあって、何となく今でも付き合いが続いている。私の自宅にも来たことがある貴重な知人だ。

島田が息子と一緒に自宅に来たのは一年前。けいたまはまだ生後3ヶ月だった。その後、私は沖縄に引っ越してしまい、東京で飲む機会がほとんどなくなった。しかし仕事の関係で月に何回かは東京に出張することになり、久しぶりに島田に呑もうと声をかけた。彼は外資系の大手IT企業に勤めるやり手の営業マンだ。彼のオフィスと私のホテルとの中間にある六本木で飲むことになった。

六本木で肉を食らう

年に数回は六本木で飲むようになってから、気がつけば10年以上経っているが知ってる店は1件しかない。それもカラオケスナックだ。店の入れ替わりも激しく、いろんな店があるから食事はついつい別の店を探してしまう。最初、島田は和食の店を勧めてきたが私は洋食、それも肉が食べたかった。次に島田が提示してきた店が六本木交差点近くの銀だこ隣のビル3Fにある「肉バル ノースマン」だ。何でも六本木に詳しい島田の知人らが「気になるけど入ったことがない。」と口を揃えて言った店らしい。

狭い階段を登ると二階の「肉麻布」がある。これも気になるがそのまま三階へ。女子が好きそうな小洒落た店内はオッさんには嫌な気がする。島田は先に来ていた。

まずはお通し。自家製ドレッシングのサラダだ。肉バルだけあって野菜のメニューはキャベツのステーキくらいしかないのだが、実はお通しは有料でおかわりできるのだった。

まずは肉の五種盛り。牛、豚、鶏、鴨、馬。野菜の上にローストビーフ、ローストポーク、大山どりのたたき、鴨ロースト、そして馬刺し綺麗に盛られている。ナマが苦手な客のために熱した溶岩石で焼くこともできる。もちろん私はナマでいただく。それぞれの肉の旨味の違いを味わうことができる。もちろん見た目通りあっさりしている。

ならば次は肉肉しく行きたいところだ。マスコットガールのほのかちゃんが1日限定10食の「ゆめあじポーク リブロースステーキ」をプッシュ。合わせてワインも飲みたいところだ。この店のワイン原価率は60%とのこと。原価三倍が基本の飲食業界では破格のサービスだ。

牛の心臓を切り刻む娘が…

フロアの女性は「マスコットガール」ということで、ビールとロックが好きなほのかちゃんが我々を担当してくれることに。なんと彼女は島田と同じ高校だった。卒業年度を聞くと「2016年…」と言うので、おっさん達はそれ以上聞かないことに。島田ですら1988年卒業だ。

ステーキはほのかちゃんがテーブルまで運んで目の前で切り分けてくれる。真ん中の1切れをフォークで刺し、口元に運ぶ。うまい!脂の味がしっかりするのにサラッとしてくどくない。肉質は柔らかく、噛めば肉汁から旨味が染み出してくる。これは酒が進む。塩加減もいい。グッジョブだ。

「ノースマン」オーナーと店長が二人とも北海道出身であることや、できるだけ北日本の食材を使いたいということで名付けた店名だそうだ。先のポークも福島産だった。

もう一品いきたい。ワインも空になったのでもうひと瓶いきたい。炭水化物はいらない。肉を追加だ。ほのかちゃんにオススメを聞くと「牛ハツのロースト」とのこと。牛の心臓だ。これを熱々に焼いたものをほのかちゃんが切り分けてくれる。早速食べてみるが…だいぶ酔ってしまって味がわからないと言うか覚えていない。肉とはやはり違うなと言う記憶だけが残っている。

こうしてワインを2本明け、原も膨らんだところで2件目に向かったのだった。

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