たらいうどん

博多駅 能古うどん たらいうどんとゴボ天

ネットの評価について考える

沖縄から福岡の航路が混雑しているとかで、飛行機の出発が遅れたために、博多駅に着いたときは13時を回っていた。ランチタイムを過ぎたから、どの店も大して混んでないだろう、むしろ僥倖と、どの店で何を食べようか、ネットで調べてみた。

ただ、最近思うのは、ネットの評価はあくまでも参考で、自分の好みとは一致していないということだ。私がレシピ検索でクックパッドと楽天を外すのも同じ理由だ。グルメ検索でも食べログやrettyなどで、コメントを読んでいて「うーん。」と思うのも少なくない。

結局、己の本能に従い、勘と経験で店を探す、昔ながらの方法に行き着いた。自分で見つけた店の評価は、ネットではどうなのだろうか。店を見つけてから、ネットでの評価を参考にすることが増えた。参考にならないことも少なくないのだが。

博多駅ランチ

荷物を置きにホテルに行くと、運のいいことにすでにチェックインできるという。部屋に荷物を置き、さあ、何を食べようか、まずはホテルの向かいの「雑魚屋」が気になる。「活イカ入荷しました。」と書かれたのぼりが嫌が応にも目に入る。先日、娘と活イカを食べに行ったのに売り切れていたのが、いまだに尾を引いているのだ。

しかし、今日の朝食が海鮮丼だったので、魚は避けたい。子供の頃から母に「肉、魚、肉、魚って順番に食べなさい。」と躾けられたからだろう。また逢う日まで、ということで雑魚屋を後にする。

次はなんだ。ラーメンはない。どうせ夜に食べるだろう。博多に来て、明太子を食べる義務はあっても、ラーメンを食べるノルマはない。ラーメン屋はそこら中に散見されるが、これもスルーだ。

じゃあ何を食べるのだ?これから天神に向かうことを考えれば駅の近くて食べたい。いや、駅ナカにもたくさん店があるではないか。私はDEITOSに足を向けた。

一階を歩く。飲み屋しかない。どういうことだ?お、オープンしたての洒落た店がある。カウンターのみの渋い感じだ。客もそこそこ座っている。ここで飯を食おうかと、通路の看板を見る。

  • 白レバー刺し
  • ポテサラ
  • よだれ鳥

ああ、よだれ鳥ね。美味いよな。中国語で口水鶏。口水はヨダレっていうか、唾だけどね。誰も唾鶏とは言わないな…って、そうじゃない。ここも飲み屋やんけ!どないなっとんねん!

さらに歩き回って、一つの看板を見つけた。

よくわからんが、飯を食うなら地下か二階のようだ。エスカレーターで二階に上がる。

能古うどん

「別にラーメンが食べたいわけじゃないんだからね!」‭‭

なぜか自分にツンデレ風に言い聞かせる。なぜ二階?とりあえず、フロアを回って見る。しつこいようだが、ラーメンは無しだ。一つの看板に目が留まった。

「のこうどん」と読む。ああ、暑苦しい豚骨とラーメンに埋もれた世界に、一服の清涼感。そう、夏はコレだよ。冷麦じゃないけど、たらいうどんだよ。徳島では釜揚げで食ったけど、氷が入って、麺がキラキラと輝いてるよ。それに、能古うどんは以前から食べてみたかった。

福岡市からほど近い、玄界灘に浮かぶ能古島(のこのしま)。住所としては福岡市西区になるこの島が、能古うどんの発祥の地だと記憶している。姪浜よりフェリーで10分。一般的に博多うどんは柔い麺だが、能古うどんは細めでコシがある、昔ながらの古式切り麦だと書いてある。「切り麦」とは聞き慣れない言葉だが、調べてみると「うどんより細く切った麺」のようだ。

切り麦を冷やして食べると冷麦、温かくして食べるのを熱麦と呼んだらしい。じゃあ、切り麦ってうどんじゃないのでは?とツッコミたくなるが、まあ、ここでは「細めのうどん」と言いたいのだろう。見た目は稲庭うどんのようだ。あれも細い。昔から、そうめん、冷麦、うどんの違いがよく議論されるが、調べてみたらややこしいので、ここには書かない。

店内のテーブル席に案内されると、迷わず「たらいうどん」と、ゴボ天をオーダーする。

「うどんは増量しますか?ただいま無料です。」

店員の問いかけに思わず「はい」と答えてしまった。

たらいうどん

見た目に涼しげなたらいうどん。たらいに圧倒されてしまう。麺は手延べなのだろうか。ツルツルのシコシコで、冷たくよくしまっているから、喉越しもとても滑らかだ。気持ちいい。讃岐うどんのような腰ではない。稲庭うどんに近い。辛さ控えめのつゆは甘めなわけでもなく、生姜の風味も相まってうどんとの相性は抜群だ。

出汁のきいたかしわ飯、鶏めしはうどんとの相性もいい。ああ、釜揚げうどんにも合うよな。後楽を思い出す。これに高菜の漬物が…あれ?辛くない。高菜カラシじゃない。醤油漬けだ。珍しい。シソも入っているのだろうか。味わい深くて美味い。

ごぼてんもはずせない。カリカリの食感を楽しみながらうどんを食べる。

やはり大盛りにするべきではなかったか?一瞬、後悔の念が頭をもたげたが、勢いで無事に完食。ああ、美味かった。

ごちそうさま

本日のランチも無難に済ませ、地下鉄に向かう。一階へのエスカレーターに、先ほどの答えが書いてあった。

「博多ほろ酔い通り」

飲み屋しかないわけだ。

能古うどん 公式HP

(Visited 40 times, 1 visits today)