牛タン刺身

難波 和牛焼肉専門店 本家とらちゃん 法善寺横丁店

毎年恒例の同窓会

四十歳を過ぎてから、一生付き合える仲間と出会うことができるなんて、そうそうないものだと思うが、機会に恵まれ、そういう仲間と1年間を4回ほど過ごした。中でも平成27年度は私自身が再婚したり子供が生まれたりと、なにかといろんなことがあった思い出深い年だ。家を空けることも多かったが、妻を積極的に出張に連れていき、仲間と行動を共にした。なので、出張に関しては妻は「頑張って」としか言わない。家を空けることについては、まったく文句を言わずに、けいたまとゆうたまの面倒を見てくれるが、メッセンジャーで妻からのヘルプは日常茶飯事である。それでいいのだ。ありがたい話である。

その平成27年度に一年を共にした仲間たちとは、毎年欠かさず2回集まっている。6月前後と12月だ。まだ4年しか経っていない、もう4年も経ったのか。一つ言えることは、全員が4歳年を取ったということだ。私も五十路を過ぎた。不惑の歳を過ぎたものもいる。こうして定期的にいつまでも再会できればうれしいと思うのだ。

今日は半年ぶりの再開なのだが、ドタキャンが続出して6名ほどの集まりに。各地で要職に就く者も増え、忙しいようだ。いいことだ。那覇から伊丹空港へと飛んで、難波のホテルにチェックイン。商店街を歩きながら会場を目指す。外国人観光客が七夕の短冊を不思議そうに眺めていた。

和牛焼肉専門店 本家とらちゃん

千日橋通りを渡り、法善寺横丁を目指す。ここだ。なかなか渋い店構えだ。このあたりは外国人観光客も多い。店の脇でブロンドの女性がずっと電話をしている。なぜこんなところで?

この店は鶴橋の商店街にある「とらちゃん精肉店」が経営する店のようだ。仕入れと一体化している飲食店は安くてうまいのが一般的な評価である。もしや、本日の参加者の一人、精肉店と飲食店を経営する彼がセレクトした店だろうか。

店の横に掲示されたメニューを眺める。タン刺し、桜ユッケ、ハラミにロース、バラ、骨付きカルビときたか。もちろん塩タンもある。サイドメニューもよさそうだ。ますます期待に胃が刺激されるというものだ。

店に入る。壁一面に梅宮辰夫氏の写真が貼り付けられている。よく見れば、それ以外の芸能人もいるが、いまいち分からない。最近はテレビで見なくなった人もいるような…いや、私が録画したドラマとアニメ以外、ほとんどテレビを見なくなったのもあるだろう。必ずなじ女性が写っているので、この方が店の女将さんだろうか。それ以外が芸能人。うーん、ジャージは中川家?眉毛が太くて細い眼は…分からん。ピンクの服を着た女性は知り合いにとても似ているが、彼女は一般人だ。

予約名を告げると三階に案内された。ここは全室個室のようだ。静かな落ち着いた雰囲気に高級感が漂う。

焼肉を味わう

個室に入ると私が最後のようだ。全員がそろっていた。乾杯を済ますとさっそく料理だ。注文は肉屋に任せる。プロに任せれば安心なのだ。

まずはバラの花を模したようなタン刺。牛タン刺身である。見た目も美しいが、食べてみても素晴らしい。牛タンってこれほどまでに舌触りが滑らかなものだろうか。ニンニクの千切りと合わせて食べると、お互いの香りが相まってうまさ倍増である。

桜ユッケ。牛生肉の代用品として主役の座を射止めた馬肉を使ったユッケである。卵黄とタレを肉にまとわせる様に、ゆっくりと箸で混ぜ合わす。泡立ててはだめなのだ。そして数切れの肉を口に入れる。甘くてヌメッとした舌触り、体温で温められた肉からは脂の甘みと肉の旨味が卵やたれと融合し、口の中にしみわたっていく。ああ、官能的なうまさだ。薬味と遺書に食べれば、さらに味わいが複雑に、リッチに変化する。生肉はいいね。

特上はらみとカルビ。素晴らしい刺しの入り、肉の色。見ただけでわかる。こいつは美味い。焼きすぎ注意である。まあ、肉屋に任せておけば…おい、早くひっくり返せよ。火が通り過ぎるだろうが!どうせ生でも食べられる肉だ。レアで食べるのが美味いんじゃないか。表面に焼き色を付けただけで充分だ。これをタレにつける。油とタレが等価交換されて、旨味が増すのだ。余計な脂がタレに落ち、醤油ベースのたれが素材の潜在能力を完全なまでに引き出す。あとは…

ああ、至福。

予想通りの味である。まいうー。

牛タン焼きである。ゴマ塩で食べるとのことだ。うーむ、少し硬い。完全に焼きすぎだ。肉屋は何してる?ああ?肉をさばくのは得意だが焼くのは仕事じゃないだと?トングを貸せい!ここからはワシが焼方(やきかた、焼き物担当の調理人)じゃ!だが、ごま塩よりもレモンが欲しい。タン塩レモン、赤白黄の3つの組み合わせは譲れないのだ。

牛テール焼き。焼肉で食べるのは初めてだ。脂こってりなのに肉のしっかりした味。これは好みである。タレで食べるのである。脂がのってる部位はタレとの相性も抜群なのである。さっぱりしてるとタレに負けるので、その場合は塩かレモンがいいのである。

ということで、焼肉をしっかりと堪能できた。ここはぜひまた訪れてみたい。子供たちが大きくなったら、家族で食べにこよう。

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