2020年3月29日
ゆし豆腐

沖縄県那覇市首里 ななほし食堂

沖縄の正月

昨年3月に妻の身内が亡くなった。沖縄の習慣では三年間は盆と正月をしないそうだ。そんなわけで、妻と初めて過ごす沖縄の正月は地味なものになってしまった。妻の実家にも、今年は人が集まらないとのことだったので、私が雑煮を振るまうことにした。

お正月といえば、雑煮とおせち、それにお年玉が定番だが、沖縄には雑煮とおせちがない。代わりに中身汁(豚モツのすまし汁)かイナムドゥチ(白味噌仕立ての豚汁のようなもの)に買ってきたオードブルを食べるのが一般的である。義父は学生時代を福岡で過ごしたので、雑煮を食べたことがあると話していた。

数の子、かまぼこ、いくら、ロースハムをおせち容器に入れて正月の雰囲気を出す。そして昆布とかつおでとった出汁に、鶏肉、大根、人参、しいたけ、さやえんどうを入れる。焼いた餅を軽く煮て、器によそい、仕上げの三つ葉を載せてできあがりだ。餅には海苔といくらをトッピングだ。

バラチラシ寿司

元旦の夜に、義父がバラちらしを食べたいと言うので、二日の夜に作ったところ、義父は覚えていないようだった。普段、夕食では酒ばかりでほとんど食べない義父がバラちらしを何度もお代わりしていた。気に入ってもらえたようだ。

三日は妻が風邪でダウンしたので、私が家事とけいたまの面倒を見た。二人で歩いて買い物にも行った。二歳になったけいたまはますます可愛い。親バカである。

ななほし食堂

四日から保育園がはじまり、けいたまも出勤だ(笑)家事も終わり、妻が言った。

「お昼、どうする?」

飯を作るのにも飽きた。しかし、正月明けに開いている店がわからない。妻の実家に包丁を回収しに行きたいこともあり、首里方面でやっている店に行くことにした。ネットで検索すると、首里の交差点の近くにいくつか店がある。そこに気になる店を見つけた。

ななほし食堂 外観

妻の実家に車を置き、歩いて店に向かう。店の前に人が並んでいる。入口には、あやぐ食堂の姉妹店と書いてある。

お昼時で店は満員。待ちリストに名前を書くが、私たちの前に16人待ち。一人は待ちきれずに帰ってしまった。

ななほし食堂 レジ

カウンターで豆腐を買うことができる。沖縄の豆腐はできたては熱々なのが特徴だ。

メニュー

待っている間にメニューに目を通す。

ななほし食堂 メニュー

さて、何を食べようか。

妻はゆしとうふ定食に決まりだ。私は定食か、それとも…やはり、味噌汁が気になるが、がっつり食べたい気持ちもある。よし、ここは味噌汁に唐揚げトッピングで決まりだ!

十分ほどでカウンター席に座ることができた。後ろの席のおばあの二人組、カレーライスが結構なボリュームだ。ちゃんぽんもかなりの大きさだが、美味そうだ。二人ともペロッと平らげていた。沖縄のおばあ、恐るべし。

ゆしとうふ定食

注文を聞かれたので、かねてより検討していた案をぶつけるも、汁物にトッピングはできないと、味噌汁の唐揚げは門前払いされる。無念。ゆしとうふ定食は、ポーク玉子かチキンカツのいずれかをチョイスするシステムだった。妻はチキンカツを選択。

ゆし豆腐定食

先に妻のゆし豆腐定食がお目見えだ。美味そうだ。少量をいただいてみる。薄口のカツオ出汁に、口当たりなめらかなおぼろ豆腐。これはいい。美味い。三枚肉はしっかりとした歯ごたえと味わい。美味い。

もずくもうまい。シークワーサーの香りが効いた、甘口の酢の物。妊娠糖尿の妻は食べられない。

チキンカツは沖縄の食堂によくある、衣と肉の厚さが同じやつだ。衣が厚いのではなく、肉が薄い。まるでハムカツだ。妻が言う。

「思い出したよ。これとポーク玉子のセットがあやぐ定食だった。ドレッシングも同じ味だよ。」

沖縄とんかつ

マカロニサラダは酸味が強くない。沖縄の食堂でよく使われるエゴ〜のマヨネーズではないようだ。

味噌汁

続いて私の味噌汁が…きた。あれ?おかしいな。なんだか嫌な予感がする。とりあえず、一口飲んでみる。ネギの甘みが口に広がる。具は青ネギ、玉ねぎ、キャベツ、はんだまー、もやし、豚肉、ポーク、玉子、豆腐!人参、わかめ。妻も味噌汁を一口飲んで一言。

みそ汁

「これ、お家で食べたことあるよー。」

そうだよね。我が家の具だくさん味噌汁と同じ味だよね。

ちがああああああああう!

これは断じて味噌汁ではない!この味噌汁は味噌汁じゃないんだ!我が家と同じ味では意味がないのだ!

ああ、だるま食堂の味噌汁が食べたい。

味噌汁

味噌汁を食べ進める。どんぶりの底から卵の白身の固まりが出てきた。丸ごとドボンと入れて煮立てた証拠だ。しかし量が多い。味噌汁でお腹がタプタプだ。ご飯が食べきれない。

あたりを見回すと、ゆし豆腐を食べている人が多い。チャンプルーやカレー、ちゃんぽんを食べている人もいたが、味噌汁を頼んでいる人はいなかった。

トイレはきれいだが、温水洗浄便座ではなかった。照明がセンサー付きなので、便座に座っていると急に明かりが消えた。動くと再びライトがついた。

次回はご飯ものを頼もう。そして、豆腐を買って帰ろう。ここなら妻が食べられるメニューも多い。ランチの楽しみがまた一つ増えたのだった。

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