だいこんの花 テビチそば

沖縄県那覇市安謝 だいこんの花 ランチビュッフェ

ランチバフェ

大皿料理を食べたいだけ皿に取って食べるスタイルを一般的にはバイキングと呼ぶ。これは和製英語なので国外では通じない。その昔、帝国ホテルががっつり食べる海賊をイメージして名付けたと記憶している。番所亭のフェーレーそばと発想は変わらない。

英語ではビュッフェやブフェと呼ぶ。つづりはbuffetである。これすらも発音としては正確ではない。沖縄では伝統的に英語の発音に近い外来語を用いる。例えばアイスワーラー(Ice water)、例えばビーチパーリー(Beach party)、例えばコーヒーシャープ(Coffee Shop)。同様にbuffetはバフェと呼ぶ。昼ならばランチバフェだ。今どきはバイキングと言っても通用するが、ビュッフェは通じない。

ちなみにバフェは「立食形式」と言う意味なので、食べ放題ではなく、バイキングとも形式が異なるが、なぜバイキング=バフェなのかは面倒なので突っ込まないでおく。

だいこんの花 ランチ

出張から沖縄に戻ったのは12時過ぎであった。空港まで妻が迎えに来てくれたので、そのままご飯を食べに行くことにした。どこに行こうか?なんとなく、だいこんの花が脳裏に浮かんだ。野菜をたくさん食べられるし、少しお高いが味もまあまあである。なんたってバイキング形式なのですぐに食べられる。空港からうみそらトンネルを抜け、泊大橋を渡り、安謝の交差点を過ぎて右折すれば目的地だ。

ここに来るのは久しぶりだ。広い敷地にイオン、コジマ電機、飲食店に書店があったのだが…ミスドがかつさとに変わっていた。奥にあった書店も飲食店に改装中である。だが、だいこんの花は変わりなくここにあった。20年前は太陽市場と名乗っていたはずだ。この店を経営する社長も、確か浮き沈みの激しい人だと記憶している。

あれ、ビュッフェレストラン…だと?バフェでははんくビュッフェ、バイキングでもなくビュッフェ。なぜだ?うちなーならばバフェを名乗れ。ナイチャーに迎合したのか?それならばいっそバイキングと名乗るがいい。なぜに一番中途半端なビュッフェとはなぜか?おそらく、バイキングとバフェのどっちつかずは、ナイチャーにもウチナーンチュにも通じる苦肉の策であろう。

システム

価格は沖縄では高めの設定である。無添加調理、無農薬・低農薬の健康志向の店である。女子には人気必至なのである。

店内に入ると、入口に近いテーブル席に案内された。この店の特長は、大皿に好きなものを取るのではなく、小皿や小分け容器に少しずつとり、味が混じることなく、沢山の種類を食べることができる。開店以来変わらない、この店の流儀である。

離乳食にも対応しているのが嬉しい。たった三ヶ月ほどのゴックン期であるが、食べ物に困るのも事実なのだ。

料理

サラダには玉ねぎドレッシングとニンジンドレッシングを合わせてかける。混合液なのだ。口に入れると鮮やかに香りが花開く。野菜ジュースを飲んでるかの様な錯覚に陥る。美味い。

クーブイリチーは昆布の味がしっかりする。本来は出汁を取った後の昆布を使うので出汁の味の方が濃厚なのだ。自然な味わいに豚肉のコク。美味しいクーブイリチーにはなかなか出会えないのだ。テビチの煮込みはコラーゲンがねっとりまったりと舌に纏わり付き口の中に広がっている。甘めの味付けはカレーのトッピングにも合うはずだ。麻婆豆腐は辛さ控えめだが、花山椒がしっかりときいている。島豆腐なので食感はイマイチ。やはり舌触り滑らかな絹豆腐がいい。もずくもツルツルっと美味い。おでんもまあまあいける。コンビニの様なわざとらしい旨みが後味に残ることがない。

揚げ物は冷めてしっとり残念、弁当の揚げ物と変わらない。

グリーンカレー、具は少なめだ、辛さも控えめだが本格的な味がする。だが、スープとして飲むとうまいのだが、ご飯に合わせると何かいまいち物足りない。炭水化物に負けてしまっている。薬膳カレーもさらっとした味わいで辛さも控えめ。いかにも体に良さそうな感じであるが、こちらもご飯に負けてるような気がする。

ここのご飯はよほど甘みが強いのだろうか。

汁ものはお味噌汁、アーサー汁にゆし豆腐の三種類である。

沖縄そばは自分で温める。セルフの讃岐うどんのような趣だ。パスタはきのこペペロンチーノである。うどんならば天ぷらコーナーと組み合わせると一層美味しくいただけるが、沖縄そばでは別の工夫が必要である。

ゆし豆腐テビチそば

だが、何の問題もない。ゆし豆腐に沖縄そばを入れ、テビチをトッピングすれば贅沢なそばのできあがりだ。沖縄そばのとんこつカツオに優しい豆腐の味わい、テビチのコクと甘みが加わり、リッチな味わいとなるのだ。

先ほどはゆし豆腐テビチそばを一口ずつ食べながら試作していたので、今度は妻のために一気に作り上げる。おいしいと喜ぶ妻。よかった。ゆし豆腐もテビチの煮込みもそばも、それだけでうまいのだ。これらを合体させて不味いわけがない。なんでも三つ合体すれば強くなるのは、アニメの定石だ。戦隊モノでもそうだ。合体は正義だ。

女性向けメニュー

えびすかぼちゃサラダが運ばれてきた。まるで現代アート。インスタ映えすること間違いない。撮影する私を見て妻がつぶやいた。

「これは写真撮るよね」

客の九割は女性客。男性は数えるほどしかいない。よってメニューも女性客に焦点を当てている。デザートも充実しているのだ。トイレは温水洗浄便座だ。女性客ばかりなので男性トイレは静かで落ち着く。

以前よりも品数が減った気がするのだが、味は良くなっている。企業努力の後が見られる。沖縄では早くから展開しただいこんの花。前身の太陽市場での失敗を活かしているのだろう。後から参入してくる店舗に負けないためには、たゆまない進化が不可欠なのが弱肉強食が原則、TTP(徹底的にパクる)が鉄則の飲食業界なのだ。

色々食べてあれこれ味わえて満足だ。食後は隣のイオンで夕食の買い物を済ませる。今度は家族で食べに来よう。

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