2020年7月11日
厚揚げ焼き

大久保西の茶屋 長野駅前店 野沢菜天ぷらと蕎麦

更科蕎麦はどこだ?

久しぶりの長野市である。やはり蕎麦は外せない。今日の夕食はうまい信州そばを食べようと心に密かに決めていた。しかし、店が決まらない。蕎麦にもいろいろある。つなぎの量で十割そば二八そば、そば粉の具合で田舎そばや更科そば。私は田舎そばを好まぬ。長野県は日本を代表する蕎麦の産地である。つまり更科そばを味わいたいところだ。

検索はネットを頼る。「長野駅 更科そば」のキーワードで検索する。いくつかの店がヒットした。食べログの点数は参考程度にしかならないが、高い店に間違いがある事は割と少ない。少ないだけで、この点数がおかしいと思う事も実は少なくない。つまり、あまり当てにならないということだ。

店舗外観

いくつかの店がヒットした。その中から駅からもホテルからも近い一軒の店をチェックした。とりあえずここに行ってみよう。店まで行って気にいらなければ、入らなければいいだけのことだ。

大久保西の茶屋

渋い店構え。昭和の香りが漂う。嫌いではない。しかし、なにか心に引っかかるのだが「新そば」の文字に心惹かれてしまった。人間とはかくも単純なものであろうか。たった三文字が私を捉えて放さないのだ。

店舗入口

店に入るとカウンターの奥の席に案内された。店が一望できる。一階に客はほとんどいなかった。

店内

蕎麦は直送、野菜は有機栽培。ふむ。だが「こだわり3」に「焼き物は炭火焼き」と書かれてあるが、焼き鳥のメニューなどどこにもない。どうなってるのだ。店員が厨房のスタッフに料理の作り方を説明していた。今日から勤務の調理人なのだろうか。一抹の不安がよぎる。店選びをしくったか。

能書き

さて、何をたべようか。三点ほど料理をセレクト。ウイスキーは謎の銘柄なので、ハイボールはやめておこう。BGMはスーパーで流れる、JPOPのインストゥルメンタルだ。今はパフュームだろうか。

壁にはたくさんのサインが掲示されている。

サイン1

さだまさし、小田和正、中村雅俊、イチローなどなど。駅前なので乗り換えの合間に立ち寄ったのであろうか。

野沢菜天ぷら

天つゆのみで塩がない。仕方ない、天つゆにつけて食べてみる。

え?

野沢菜天ぷらって、漬物を揚げるのか?それで塩が不要なのか?それなら天つゆだっていらないように思うが。しかも、野沢菜の葉を広げるのではなく、巻いたまま衣が付いている。揚げなくても束の漬物は食べにくいと思うが、天ぷらにしても変わらないだろうに。コロッケじゃあるまいし、何じゃこれは?その上、野沢菜同士が衣で結合されていない。失敗してバラバラになったかき揚げのようだ。天かすを食わされているようだ。試しに天つゆにつけて食べてみると塩気が和らぐ。だが、天つゆにだって塩分はある。漬物より体に悪いだろう。

以前。別の店で食べたときはこんなにしょっぱくなかった。

「お通し三丁!」

店員がオーダーを告げる。そう言えば私にはお通しが出てこない。雑な店だ。蕎麦焼酎水割りをオーダーした。

玉ねぎおかか

玉ねぎがたっぷり。多すぎるくらいだ。ドレッシングはかかっているのだろうか。皿の底には黒い液体が見えた。なんだこれ?食べてみる。玉ねぎは刺激よりも甘味が勝る。柔らかい。黒い液体は蕎麦つゆ風ドレッシングであった。トッピングは大葉、水菜、鰹節。うん、なかなかいけるぞ。

玉ねぎおかか

そうだ、これならきっと揚げ玉を入れると甘味が増して甘いはずだ。野沢菜天ぷらの残骸を投入する。うん、悪くない。単調な味を拡張するのだ。しかし、どんぶり一杯の生タマネギを食べることなど、人生においてそうそうないだろう。当面はオニオンスライスを食べなくてもいい。辛味で喉がヒリヒリしてきた。いくらなんでもやりすぎだ。

厚揚げおろし

生姜たっぷりも、チューブの既製品だ。ツンとくる刺激が強い。こんなの大量にかけて欲しくない。厚揚げの味を見事に殺しまくっている。

厚揚げおろし

いや、違う。

この厚揚げ、なんだかおかしい。味がない。豆腐の風味もなければ油の甘味もない。薬味の味しかない。私の舌がおかしくなったのだろうか。大根おろし、甘味がある。薬味ネギ、軽い辛味。厚揚げを食べる。薄味…塩気のことではない。大豆の味がしない。

これは早めに撤収するべきだな。ハズレの臭いがプンプンしてきた。ざるそばをオーダーする。

木目調の古い店なのだが、トイレは白基調とした現代的な内装だ。温水洗浄便座である。

蕎麦

辛くないつゆにつけてたべる。喉越しもいいしコシもある。見た目よりもボリュームもある。だが更科ではない。確かにコシもあり喉越しも悪くないのだが、口の中に残る違和感。

なんだろうか。

ああ、蕎麦を噛むときの感触が歯切れ悪いのだ。ゴムのようだ。

蕎麦

蕎麦湯は香りがない。お湯だ。ひどいものだ。

蕎麦湯

なんだか疲れたので、食べきらず、酒も残して店を出た。戦略的撤退なのだ。

後日談

翌日、キャバクラの女の子が長野駅前の居酒屋さんがおいしくなくてね、と話していた。写真を見せたら「この店だ!」と言う。ああ、失敗だったか。観光地の駅前の店は要注意だ。特に長野駅周辺はあれだけたくさんの店があるのに、入りたいと思う店が少ない。利便性を優先すればうまい食事にありつけないということか。

満足に食べたいのならば駅前ではなく、繁華街に行くべきなのだと、いまさらながら思い知らされたのであった。

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