蟹の甲羅あげ

北海道 室蘭市 うなぎ 塩釜

初めての室蘭

商工会議所青年部(通称YEG:ワイイージー)の大会で登別に来ている。一年ぶりだ。登別といえば温泉が有名だが、登別市の中心は幌別である。もともと登別、幌別、鷲別の三村が合併し幌別町となったが、その後、登別町に名前を変え、登別市に至った歴史がある。その為、温泉地の登別と市役所がある幌別は違う駅で、何人もが間違って登別駅で降りてしまい、何もない駅前で途方に暮れていたようだ。

もう5〜6年前になるだろうか。妻と登別温泉を訪れた。奮発して望楼Noguchiに泊まった。施設は素晴らしく、部屋も綺麗だった。ただ、食事が見た目は美しいのに、味や食材が残念だった。特にウニがひどかった。

「2度と来ないね。」

と妻と話したのを覚えている。

午前中に記念式典が終わると、夜の大懇親会まで時間ができた。せっかくなので地元を観光することにする。各地の商工会議所には青年部と女性会が置かれている。そして青年部の大会は、毎年、全国9ブロックで開催される。人口数万人の街に数千人が集まると、その経済効果は小さくない。男性の多い青年部は、俗に「夜の経済効果」と呼ばれている。酒飲みが多い為だ。女性会は「昼の経済効果」と呼ばれている。お土産に何十万円と使うからだ。

こんなきっかけがなければ、訪れる機会がない街を、今までにも数多く訪ねた。そしてどんな街にも必ず魅力があることを知った。その魅力に地元の方が気づいてないこともわかった。今回は温泉ではなく、最近、興味を持った室蘭に行くことにした。

室蘭 塩釜

列車で東室蘭まで行き、10分ほど歩いてレンタカー店に着いた。そこから目指すは昼飯だ。あらかじめ蕎麦店をチェックしておいた。Googleマップに導かれて来たのは、どうも地元の飲み屋街のようだ。スナックの看板がひしめく。とある鰻屋の看板が目立つ。きっと地元では重宝されている店なのだろう。その隣が目的地である。さて、どんな蕎麦が食えるのだろう…ん?

「休業日」と書かれていた。

想定外だ。私はどうするべきか。近くには良さげな蕎麦屋もない。モタモタしていれば時間はどんどん過ぎていく。迷ってる暇はないのだが、隣の店で鰻を食べるという選択肢は無い。だが、鰻以外のメニューもあるようだ。うーん、この後に地球岬にも行くし、悩んでる時間はない。この店で手を打とう。

ドアを開けると、さすがにお昼時をだいぶ過ぎているからだろう、ほとんど客はいなかった。お座敷席に通される。トイレは温水洗浄便座付きであった。

メニューを見て、道産定食の松にする。さすがにウナギはない。まあ、何が出てくるのかお楽しみと行こうか。

道産定食(松)

わさわさと器が運ばれてくる。思ったよりも豪華なのか。

うにの土瓶蒸しはごぼうとキノコの卵とじ。柑橘が爽やか。だしは上品で胃にしみる。美味い。ウニも臭みなく、磯の香りが鼻に抜ける。こういう食べ方もあるのか。

刺身は鮮度申し分なく、マグロがうまい。数の子は十分に塩抜きされてるので、醤油につけて食べる。甘エビもうまい。白身はソイか。食感も良く甘みがある。これまた美味い。北海道のマグロはイマイチという固定観念があったのだが、最近は美味いマグロを出す店が増えたように感じる。

蟹の甲羅あげはコロッケでもない。カニ肉のカツというか、蟹メンチとでも言おうか。なるほど。カニ肉だけをまとめることは不可能だ。だからクリームコロッケにするのだが、これだと蟹の味だけを楽しむことができない。蟹の甲羅を皿にして、カニ肉を詰めてパン粉をつければ、丸揚げにすることができる。しかも、カニ肉の半面にしか衣が付かない。うーん、贅沢な一品だ。

ご飯と漬物もうまい。小鉢は高菜とナメタケの和え物か。甘めの味付けがご飯に合う。味噌汁も薄味でエビが香ばしい。正直、期待せずに入った店だ。しかも、ここは鰻屋で、私はウナギを注文していないのだ。外れでも文句は言えないのだが、当たりだ。掘り出し物を見つけたような気分だ。

次回はぜひとも家族で訪れたい

塩釜(食べログ)

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