宮崎市橘町 バー ラルゴ
今日から三泊の宮崎出張。昨年の七月以来だ。那覇からの宮崎行、ソラシドエアーは遅れまくって、宮崎着17時50分の予定が18時20分。 眼下に雲が広がる天気。
着陸直前、飛行機はジェットコースターのように揺れた。大迫力だ。天気が悪い。前回も雨だった気がする。梅雨明け前であった。空港からホテルに向かうと、大浴場でリフレッシュ。その後、仕事のやりとりをしていたら午後9時になっていた。
宮崎市の繁華街、橘町に位置するホテルの近くをぶらついてみる。小雨が降って肌寒い。宮崎牛か、もも焼きか、それとも地魚で一杯やるか。そんなことを考えながら歩く私の目の前に現れた一つの看板。
フムス?
なんだっけ。
ああ、そうだ!信長のシェフの23巻で出てきたのがフムス。食べてみたかったのだ。とりあえず、チェックしておこう。
さらに20分ほど歩く。どの店も心惹かれない。ああ、私の気持ちはすでにあの店に囚われてしまったのか。フムスに心惹かれ、かちゅそばがヒットした。気になる。気になって仕方がない。
先ほどの看板の場所に戻る。この店が一番気になる。店に入る。おしゃれなバーだ。早い時間なのか、客はまだいない。
メニュー
カウンターに案内されるとメニューを見た。あった、フムス。それにピクルスをもらおうか。
ピクルス美味い。酸味爽やか、甘過ぎず酸っぱ過ぎず、単体で食べて美味しい。カリカリとかじりながらビールを流し込む。宮崎でなくても食べられるはずなのに、なかなか居心地のいい店だ。
フムス
次いでフムス。生まれて初めて食べる料理である。想像していたものとだいぶ違う。ムース上の料理をスプーンですくいながら食べる。
滑らかな豆の舌触り、豊かなゴマの風味、爽やかなレモンの酸味にオリーブオイルの香り。すべての素材が自己主張せず和やかに溶け合う、これがフムスか。バゲットにつけたらうまかろうがかちゅそばのためだ。これを戦国時代の日本人が食べたら、そら、ものすごいカルチャーショックであろう。作品中ではひよこ豆の代わりに大豆を使っていた気がする。
マスターが言った。
「フムスを頼んでもらえるなんて、嬉しいなあ。」
酒盗奴
豆腐の上に酒盗を載せたおつまみだ。沖縄で言えばワタガラス豆腐だ。スクガラス豆腐はメジャーだが、ワタガラスは聞いたことがない。昔、本厚木にあった沖縄料理店の店頭には「クスガラス豆腐」と書かれていた。それじゃうんこの塩辛豆腐になってしまうよ。マグロの酒盗だそうだ。確かにいつも食べているものよりマイルド感じがする。
あとはかちゅそばを食べて帰ればフィニッシュだ。締めの炭水化物ではないが、もう少し酒を楽しんでからそばを頼むことにした。
ここで誤算があった。
妻と同い年のマスターとの会話が弾み過ぎてしまった。攻殻機動隊からSF映画の話、宇宙の起源や生物の定義の話、盛り上がりすぎた。気が付けば0時過ぎ、会計を済ませ帰ろうとする私にマスターが言った。
「すいません、話が面白すぎます。一杯おごるので、もう少し話していいですか。」
もちろん快諾した。一杯くらいなら…一杯で帰った。明日もある。昼間はランチも営業していることを確認し、日を改めてかちゅそばを食べることにした。
久しぶりにバーで楽しい時間を過ごすことができた。クセになりそうだ。気を付けよう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)