三田 キッチンむう メンチカツ

東京都港区 三田駅 キッチンむう 日替わり定食

三田駅ランチ

朝が来た。目覚めると明るかった。社宅なので食事は無い。コンビニまで買いに行くのも面倒だ。とりあえず、朝飯は食べずに済ませて仕事をする。午後イチから丸の内で会議なので、会場付近で食事を済ますのが時間効率的にはいいのだろうが、あのあたりは店も多いが、あふれかえる人・人・人で気持ち悪くなるから、お昼時には近づきたくない。

ならば、この近辺で早めの食事、つまりブランチをしてしまえば問題ないだろう。お昼前なら店もすいている。会議後の懇親会は17時半スタートだから夕食も早めになる。全体的に食事の時間が前倒しなのだから、ちょうどいいではないか。

芝四丁目の交差点から三田駅に向かうあたりでランチの店はないか。実は以前から気になっている天ぷら屋があるのだが、今日は天丼を食べる気分ではないかもしれない。いや、せっかくの機会だから行ってみよう。まずは身軽な格好で天ぷら店を目指すことにした。

キッチン むう

Googleマップによれば交差点を少し過ぎたところに店があるようなのだが…見つからない。表通りではなく、裏通りにあるのだろうか。考えながら歩いていると、ふと気になる看板を見つけた。

こんなところにキッチンがあるのか?

看板のあるビルを覗いてみる。奥の小さな看板がそれか。興味を惹かれた私はビルに入ってみた。

メニュー

入口から奥まったところに店があった。日替わりメニューはメンチカツ定食だ。

ドアを開けて店に入る。向かって左側が長いカウンター席、右側がテーブル席が配置されたレイアウトだ。私は手前のカウンター席に座るよう、指示された。カウンターの上には大量のキャベツがのった皿。これから訪れるランチタイムのピークに向けて、着々と仕込みが進んでるということか。

壁にはメニューが貼ってあるが、すべてカレーだ。定食は日替わりのみ、他に選択肢はない。提供する食事を一品に絞り、オペレーションの効率化を図る。合理的だ。おそらくランチにカレーを頼む人は少数派だろう。カレーライス以外はすべて日替わりランチより高価なのだ。コスパが悪い。

日替わりをオーダーし、カウンターでランチを待つ間もなく、私の予想をはるかに超える速さで提供された。すごい。オーダーを請けてからメンチカツを皿に盛り、ご飯とみそ汁をついでカウンターに運ぶ。所要時間は3分程度か。カップラーメンと変わらない。

日替わり定食

厨房ではメンチカツをマスターらしき男性がひたすら揚げていた。冷める間もなくオーダーが来て、カウンターの上に連座する皿に盛られて客に供される。これが数分での提供を可能にしているランチシステムなのか。マクドナルドでバイトしていた若い頃を思い出すかのようだ。おかげでマクドの製品は一切、食べることができなくなったのだが、それはどうでもいい話た。

早速、いただこうではないか。まずは味噌汁からだ。 和食の基本は汁物からいただくことだ。ここはキッチンだから洋食だろうと言われようが、味噌汁がついて、箸で食べる以上、一汁一菜なのだ。こうやって箸を湿らさないと、ご飯がくっついてしまうからだ。おお!熱々の味噌汁はダシがきいてうまい。薬味のネギが味噌汁の熱でいいくらいに煮えている。

続いてはサラダである。平皿の上にはキャベツとポテトサラダが盛り付けられ、その手前にどどんとメインのメンチカツが3つに切り分けられている。ジャガイモを粗くつぶしたポテサラはマヨネーズが控えめだ。オニオンスライスが香り良く、全体的にバランスよく混じりあっている。

千切りキャベツはスライサーではなく、包丁で手切りしたものと思われる。こちらもみずみずしくて美味い。シャキシャキしない生野菜やしゃっきとして入るが、かがやきのないザラザラで干からびてしまったカット野菜とは大違いなのだ。

メンチカツは揚げ置きされているために熱々ではない。それでもサクッと揚がった衣が歯ざわり良く香ばしいのはさすがだ。熟練の技なのか。甘めでコクのあるドミグラスソースとの相性が素晴らしい。肉汁あふれるジューシーなメンチカツの魅力を十二分に引き出しているかのようだ。

ご飯は柔らかめだがベタベタではない。これがまたメンチカツによく合う。揚げ物とドミグラスソースとごはんの組み合わせ、なぜこんなにも美味いんだ、食欲を刺激するのだ。

食べ進むうちに時間は正午に近づいていく。店内にはサラリーマン風の客がどんどん入ってくる。人気店なのだな。これならランチタイムだけで三回転はするだろう。おそらく、定食だけで毎日百食以上を売り上げているのではないだろうか。

ごちそうさま

店内のトイレが壊れているために、店外のビル管理人室のトイレを使う。ただの洋式便座だ。修理する気がないのだろうか。飲食店としては致命的だ。寒い季節は最悪のトイレだ。

完食してランチタイムを終える。店を出ると、昼食を求める人々で歩道は埋め尽くされていた。なんせここはオフィス街であるのに、飲食店が少ないのだ。まして個人経営の手作りで安くてうまい店となれば、かなり限定されてしまう。

日替わりはメンチカツ以外もあるのだろうか。また食べに来てみたい。いつか、カレーも食べてみたいと思う。

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