芝公園駅 喫茶 悠
以前から気になっていた店があった。商店街から逸れた道をさらに入った奥まった場所にある喫茶店。ランチ営業しているようで、のぼりも立ててあるのだが、常にシャッターが閉まっている。何度か行ってみたが、いつも同じだ。
何のためののぼりだ?
メニュー
いつも通る道からだと奥が見えない。反対側からたまたま通って分かった。入口は奥側なのだ。店が開いているのを確認した。ランチタイムは11時からと書いてある。
チャンスだ。
社宅に荷物を置いたら食べに行こうと決めた。
店に着いた。ここぞ入口か。ドアを開けて中に入ると、カウンターの中に年配の女性がいた。一人ですと告げたものの、なんだか対応がおかしい。
「ランチ食べれますか?」
「え?お客さんですか?」
女性が驚いたような声を上げた。カウンターの席に座るように指示される。客に見えなかったのだろうか。
気を取り直して、さて、何を食べようか。メニューを見る。うん、悠ランチ八百円をセレクト。お得なように感じる。
「ランチ一つ。」
私の注文が復唱された。この店では単にランチと呼ぶようだ。
バロック音楽がかかる店内は、古き良き昭和を感じさせる。息子さんと母親で切り盛りしてるようだ。息子さんは私よりも若いように見える。さらに観察して分かったのは、調理担当はお母さん、ホールと会計担当は息子さんであることだ。
悠ランチ
ランチが運ばれてきた。さっそくいただくとしよう。イカフライは柔らかくて、薄い衣はさくさくである。ウスターソースが合う。エビもぷりっぷりだ。
マカロニサラダは薄味で飽きがこない。大量なのでどうかと思ったがパスタサラダのようだ。玉子サラダも素材の味が凝縮して甘い。野菜もシャキシャキ。極薄のキャベツサラダは見た目にも食欲をそそるのだ。
ハンバーグは手こねだ。見かけと違った。しっかりとした味わいだ。作り物や既製品ではない。ドミグラスソースと調味料で重厚な味を出すレストランとは違い、クセのない家庭的な優しい味わいだ。
ヒレカツ、サイズは小さいが肉が厚い。しっかりとヒレ本来の味わいを堪能できる。ひさびさにヒレカツを食べたと言う実感がする。見た目よりも食べ応えがある。
ご飯は柔らか目。見た目よりもボリュームがある。
二人客が入ってきた。私より年上だろう。二人ともハンバーグをオーダーした。
仕上げはプルプルゼリーだ。一口食べる。柚子か…いや、違う。苦味が弱すぎる、甘みが強すぎる。酸味はほどほどで爽やか。スウィーティーだろうか。正体はわからないが、これなら私でも食べられる。
ごちそうさま
店の外に木が生えている。大きな柑橘系の果実がたわわに実っていた。先ほどのデザートの正体はこれに違いないと一人で納得して店を後にした。
次回はハンバーグを食べよう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)