京橋 クロアチア料理 ドブロ
予約は19時15分。この店を訪れるのは三年ぶりだ。前回は妻と友人の三人で食事をした。少し早めについたので、店の周りを散策して時間をつぶす。特徴的なオープンカーが走っていたが、車種が分からない。
店に戻ると、全員がそろっていた。一人は前日にスマホをなくしてしまい、落ち着きがない。用意された席は1Fフロアだった。
さて、なにを食べようか。席のみの予約だ。
メニュー
アラカルトで食べようかと思っていたが、お得なコースがあったので全員でセレクト。
前菜盛合せ タコのサラダ
まずはレバーペーストから食べてみる。風味がいい。鴨のテリーヌに酸味の効いたアプリコットソースがすごく合う。ローズマリーの香りもたまらない。
クロアチアの沿岸地域である、ダルマチア地方名物のタコのサラダは、タコが柔らかく、ジャガイモと玉ねぎの酸味と風味にバジルが混ざり合って豊かな味わい。酒が進む。イカも美味い。カルパッチョとスモークサーモンも文句なし。
クロアチア料理の旨さに一同、驚く。
牛肉のペンネ
まるでストロガノフパスタのようである。少しピリ辛で大人の味。肉のうまみとソースの深みがパスタにほどよく絡みつき、口の中で一体化する。ふかふかの自家製パンにソースをつけて食べても美味い。
シュトゥルクリ
クロアチアを代表する名物料理である。まるでパスタで作ったオムレツのようだ。コクのあるまったりとしたチーズが効いて、パスタの相性が抜群だ。これをパンにつけても美味。なんとクロアチアの首都、ザグレブの無形文化遺産としてユネスコにも登録されているそうだ。
サルマ
クロアチアのロールキャベツである。秋に漬けこんだキャベツを使って冬に作る、クロアチアのおふくろの味。日本で言えば肉じゃが。そのまま食べるとそっけない味である。ハーブがよく効いている。
食べ方はロールキャベツとはだいぶ異なる。小皿に取り、スプーンでグチャグヂャにつぶして混ぜる。これをスプーンですくって食べる。
まるでリゾットを食べるがごとし。肉とキャベツとマッシュポテトにスープが見事に融合して豊かな味わいを作り上げる。ああ、確かにおふくろの味っぽい。
パスティツァーダ
ほほ肉の赤ワイン煮込み。クタクタに煮込まれて、筋繊維の一本一本がほぐれるまで調理された頰肉は、意外にシンプルな味。牛肉の雑味を取り除いたかのような、コクはあるのにまったりとしない。
これが食べたくてこの店に来た。クロアチアでも食べた。
プニプニとした食感のニョッキもソースとマッチして、肉だけ食べても良し、ニョッキを一緒に食べてもまた良しなのだ。赤ワイン煮だけあって、クロアチアのワインとのマリアージュもいい。あっという間に平らげてしまった。
ワタリガニのパスタ
トマトの酸味、玉ねぎの甘み、クリームのコク、ワタリガニの風味をどっしりとしたリングイネが絡み取って味をまとめ上げる。美味い。
久しぶりに食べたクロアチア料理。知人とはもう10年以上、連絡を取り合っていない。元気だろうか。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)