回転寿司 すし食いねぇ!
沖縄から小松空港へ飛び、岐阜県高山市への道中、どこかで寿司が食べたい。北陸地方は回転寿司のレベルが異常に高い。地元民においしいすし屋を尋ねると、間違いなく回転寿司を紹介される。小松空港から白山に向かう国道三六〇号線から少し外れたところに一軒の店を見つけた。ここにしよう。
飛行機は小松空港に降りた。レンタカーを借りて店に向かう。一〇分ほどで到着。車を停めて店に入る。一四時過ぎだ。店内は空いていた。カウンター席に案内される。
メニュー
さて、何を食べようか。
「まんだい」ってなんだい?アカマンボウのことか。それは沖縄で普通に食べられるからいいや。まずは「氷見づくし」と「金沢づくし」にしようではないか。注文はタッチパネルで行う。これは便利。
醤油は甘いのと辛いのがあるはずだ。こちらは甘いのがデフォルト。案の定、小さい容器が辛い醤油だ。煎茶と玄米茶が選べるのが嬉しい。
金沢づくし
タチウオ、かます、アラの三種。タチウオは身が淡白。
かますは水っぽくない。ねっとりしてうまい。アラはしっかりとした歯ごたえ、噛むと滲み出てくる魚のうまみ。
氷見づくし
赤ガレイ、カワハギ、マハタ。赤ガレイは少し水っぽくて、弾力もイマイチ。食感を求める魚ではないのだが。カワハギはポン酢でいただくが…そつない味。こんなもんだったかな。マハタはねっとりと、イカのような舌に絡みつく粘りに、脂ののった身が美味い。
きのこ汁
きのこ汁は具沢山。えのき、なめこ、ヒラタケの三種類が入っている。キノコの力強い食感と口に広がるネギの香りと、だしの効いたつゆのコンビネーションが胃にしみて行く。秋だなあ。
活〆盛り
たい、すずき、シマアジ。
しっかりと熟成させたタイは、食感を失う代わりに強い旨味を手に入れる。噛みしめると口の中に身の旨味と脂の甘みが広がる。ピリッとしたワサビの刺激がアクセントとなり、タイの潜在能力を極限まで引き出す。広がり切った味わいの空間はやがてシャリに吸い込まれ、味わいの余韻だけが最後に残る。
美味い。
スズキはこんなものだろうか。不味くはない。まあまあ美味い。ただ、タイのような感動がない。シマアジを生姜で食べるのは珍しい。まあまあの歯ごたえと、くどくない脂ののり。まごうことなきシマアジだ。
上しめ鯖
私は軽く締めたのが好きだ。見た目は確かにさほど締まっていないように見えるのだが、身につやがない。脂がのってないのだろうか。色もくすんでいる。
食べてみる。
塩っぱい。締めすぎ。残念。
白えび
ねっとりと甘く、噛みしめると、シャリがほぐれるたびに、白エビ特有の力強い甘みが口の中にどんどんと広がる。
美味!
やはり白えびはすごい。富山湾の宝だけはある。
生イカゲソ
ネタもでかいが、シャリもでかい。一口で食べる。コリコリと歯ごたえのあるゲソが食べ応えある。噛めば噛むほど旨味が溢れてくる。臭みも粘りもない。新鮮だ。今日食べた中で、白えびの次に美味いかも知れない。
ごちそうさま
トイレは温水洗浄便座だ。音付きなのだが、スピーカーが耳の高さにあるのでうるさい。
店を出ると、雨は止んでいたが雷が響いてきた。国道360号線を高山まで無事に通り抜けられるだろうか。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)