サーモン吹き寄せ盛り

JAL504便 ファーストクラス 千歳—羽田

本日のランチ

四泊の出張を終えて、ようやく沖縄に帰れる。フライトは新千歳空港を正午発である。ならば早めのランチを済ませるために、11時には空港に着かなければならない。つまり札幌10時05分の快速エアポートに乗らなければならないのだが、それだと10時開店の札幌駅ESTAで買い物ができない。千歳駅前のイオンに立ち寄るか、新札幌駅まで地下鉄で行ってイオンで買い物をするか、イオンの世話にならずに物資補給はできないと考えていた。

ふと、予約を確認してみると、千歳から羽田まではファーストクラスである。食事付きである。ならば何の心配もない。札幌駅10時35分初のエアポート快速に乗れば間に合うではないか。10時50分発の便では遅すぎる。確かJALはもうすぐ搭乗受付を30分前で締め切るようになると思ったので、今までのようにギリギリに空港に着くのは改めようと思ったのだ。

予定通り、10時開店のESTAで魚を調達した私は、エアポート快速に乗り、11時12分に空港に着いたのだった。

ファーストクラス ランチ

飛行機は定刻通りに離陸した。津軽海峡上空に差し掛かったあたりで配膳が始まった。

さて、いただくとしよう。

焼き茄子白湯胡麻餡掛けは、ポタージュのようなあんかけの下からはメロンのような色をした焼きなすが出てきた。たっぷりりのあんと一緒に食べてみればら力強い焼きナスの焦げたような芳ばしい香りとゴマの香りが混じり合い、ナスの魅力をしっかりと引き出していく。

白ワインが飲みたくなる。脇役のトリュフ、赤パプリカもナスを邪魔することなく、華を添える。

氷頭(ひず)なますみぞれ酢掛け

ナマコにも似た食感。酸味控えめの味付けな上品で、さわやかな蛇腹きゅうりとも相性がいい。日本酒が飲みたくなる。

氷頭とは鮭の鼻先の軟骨部分のことである。氷のように透明であることから氷頭と呼ばれる。これを薄くスライスしてなますにしたものが氷頭なますである。一尾からはごく少量しか取れない珍味なのだ。

アイヌは鮭のことをカムイチェプ(神の魚)と呼ぶ。アイヌ語で鮭は「シペ」と言うが、語源は真の食べ物を意味し、転じて主食を指す。それだけに目玉もエラも含めて、すべて食べたそうである。まるで沖縄の豚と同じだ。鳴き声と毛以外はすべて利用する。

氷頭の上にのる、カエルの卵というか、アケビのタネのようなものがチアシードだ。初めて見る。調べてみると、南米原産のシソ科の植物の種である。オメガ-3脂肪酸を含む、ダイエットや美容に有用な、最近はやりのスーパーフードのようだ。乾燥したものが販売されているが、水で戻すと、トロミのついたプルップルになるらしい。味はあまりない。こいつを和食に用いるところに、凡人にはない才能を感じる。

サーモン吹き寄せ盛り

銀杏、紅葉麩、絹さや、渋川栗甘露煮、蒸しえのき茸、蟹。吹き寄せ盛りとは、風に吹かれた秋の落ち葉のように、カラフルな色合いの食材を葉の形を模して盛り付けたものだ。料理だけでなく、和菓子にもあるようだ。確かに見た目は大きな葉のように見えなくもない。様々な食材でカラフルに盛り付けられている。

サーモンはスチーム調理器で処理されたと思われるが、皮がカリカリのようだ。スチームで調理するとゆでたようなだれた皮になり、食感も味も悪くなるのだが、これはまるで干したかのようだ。鮭の身からは生臭さは微塵も感じられない。

もしかして新巻鮭を使ったのだろうか。生のサーモンではないのか。北海道のスーパーでは、鮮魚コーナーに生筋子が並ぶ季節だ。いわゆる秋鮭を使ったレシピだと思うのだが、生ではこの皮は実現できないのではないだろうか。実際、食べてみても美味い。

銀杏はまだ早い。香りも弱い。おそらく昨年のものだ。蒸しえのきは、柄の部分だけを使用している。ここはホタテの味がすると評判の部位なのだ。カニもいい。これくらいおとなし目の味の方が好みだ。ご飯にも合う。

焼きばら海苔の味噌汁は安定のうまさだ。

御献上チーズケーキ

デザートは御献上カスティーラである。メニューにはチーズケーキと記載されている。

袋から出す。ドリンクはほうじ茶である。コーヒーか紅茶が一般的なのだろうが、私はほうじ茶がいいのだ。コーヒーは飲まないのだ。

ものすごく柔らかい。手でつまんで食べることな不可能だ。ティラミスのような食感、甘さ控えめのリッチな味わい。量も一口サイズで、これはお茶請けにいい。どこの菓子なのだろうか。お土産に買いたいくらいだ。

ああ、JALはいいね。安心して食事ができる。さあ、羽田で乗り継いで沖縄に帰ろう。

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