大型鮑活け造り 殻付き刺身

千葉県南房総市 弁天温泉 地魚コース

夕食は地魚てんこ盛り

旅行の楽しみは、何と言っても食事である。宿泊プランは地魚が充実した料理を選択した。久しぶりの温泉宿、房総の海の幸を心行くまで堪能したい。食事は大人二人分しか頼んでしない。三歳児と一歳児だし、どうせ食べきれないくらい食事が出るだろうと、子供たちの食事は頼まなかった。

温泉に浸かってのんびりしたら、夕食の時間だ。生ビールで妻と乾杯する。刺身盛合せはすごい迫力だ。地魚コースを選んだので、その名の通り地元でとれた食材のオンパレードである。キンメダイ、スズキ、ハマチ、鯵、さざえのつぼ焼きに鮑、イセエビと豪華である。色どりはランタナ、和名は七変化。種は猛毒を持つが、花は無毒のようだ。そもそも食用ではない。沖縄ではそこら辺に生えている植物だ。

スズキ…だと思う。いつもなら食材や簡単な感想をメモしておくのだが、この旅行ではほとんどメモができなかった。理由は後述するが、そんな訳で、これがスズキかどうかの自信は無い。ただ、食べたときに泥臭くなことに驚いたことを記憶しているので、スズキだと思う。なぜなら、若い頃、そう20年以上前になるが、千葉県産のスズキがやたらと泥臭かったので、このあたりで獲れたスズキを食べないようにして生きてきたのだ。それがどうだ。これはまったく泥臭くない。脂がのって味も濃い。スズキってこんなに美味かったっけ?と驚いたのだ。

サザエのつぼ焼き。二人分とは言え、でかい。

キンメダイの刺身。半身は後程、煮つけになって出てきた。伊豆が有名だが千葉のキンメダイもなかなかのものである。今までに食べた、一番美味しかったキンメダイは銚子産であった。これも脂がのってなかなかのものである。実は沖縄でもキンメダイは獲れるが、あまりおいしくない。

イセエビの刺身。見た目も豪華だが、身にも甘みがあって、久しぶりに堪能できた。火を通した方が美味しいと言うイメージがあったのだが、この刺身はかなりイケた。妻と日本酒を飲みながら舌鼓を打つ。

迫力のイセエビ。

鮑がでかい!いつも食べるのは、この半分くらいの大きさではなかろうか。

彩り豊かな野菜天ぷら。

締めの食事に出てきたイセエビの味噌汁。まだまだ身が詰まっていた。食事もお酒も大満足である。

朝食はオーソドックス

翌朝、朝食である。もちろん、部屋食。二部屋あって、ひとつがダイニングになっているので、布団を敷いたまま食事ができるので、子供連れにはとても助かる。若い頃は、旅先でアジが出るとがっかりしたものだが、今はウェルカムだ。干物は娘二人とも好物である。以前は自宅でも朝食は和食であったが、今は洋食のことが多いので、干物を食べる機会が減ってしまった。

旅行でいつも思うのはコメの旨さだ。地元でとれた米をきれいな水で炊く。同じく地元産の素材をふんだんに使った料理は、シンプルなものでも、ありふれた調理でも、美味しくいただけるのだと再認識させられる。生玉子をゆで卵に変更してもらえる気遣いも嬉しかった。

食事も温泉も眺めも素晴らしい宿なのだが、後継ぎがいないために、あと数年で閉鎖するという。もったいない。アクセスもいいし、敷地も広い。眺めもいい。泉質も加温とは言え、珍しい温泉だ。一日数組限定の高級隠れ家宿にすれば需要があるのではないかと、素人ながらに思ってしまうのだ。

ぜひ、その前にもう一度訪れたいと妻と話しながら、旅館を後にしたのだった。

(Visited 26 times, 1 visits today)