幌別 ホテル平安 ランチ

北海道登別市 幌別駅 ホテル平安 ランチ

久しぶりの東室蘭

登別での仕事のために北海道を訪れた。温泉で有名な登別市はもともと三つの集落が合併した関係で、少し複雑な構成となっている。登別市の中心街は幌別駅であり、市役所もここにある。何も考えずに登別駅で降りてしまうと、駅前で愕然とすることになる。登別温泉は駅から山に入ったところなので、駅前には遊園地くらいしかめぼしい建物がない。

ところが幌別にはホテルが一軒しかない。ここが満室だと、選択肢は三つである。

  • 虎杖浜(虎杖浜)に泊まる
  • 登別温泉街に泊まる
  • 東室蘭に泊まる

虎杖(いたどり)とは読まず、虎杖浜(こじょうはま)と読む場所は、幌別駅から札幌方面に三つ目の駅であり、タラコの加工地として有名である。タラコ専門の直売所もあるが、国道沿いを走ると廃墟が散見され、寂れた観光地であることは否めない。

幌別唯一のホテル ホテル平安

幌別から登別温泉街までは車で30分ほど。こちらは賑やかではあるが、リーズナブルに泊まれるホテルが無い。温泉気分を味わうには最適であるが、休日にゆったりと一人宿泊するならともかくかく、仕事で寝るだけのために一人泊まるのは微妙だ。

第三の選択肢は東室蘭。絵鞆(えとも)半島の付け根に位置する。室蘭市は胆振地方の中心地でもあり、かつては製鉄の町として栄え、戦後しばらくまでは遊郭があったくらいだ。太平洋に突き出た地球岬には売られた女性の悲しい話が数多くあると言う。

前回も幌別に宿泊できず、東室蘭に泊まったのだが、室蘭やきとりの一平が美味かった。カレーチーズつくねをもう一度食べたいものである。

ホテル平安 ランチ

本日は午前十一時から午後五時までの会議である。いわゆる年度末だ。長丁場だ。その後は懇親会、いわゆるホテル飯だ。宴会だ。食事には期待できないのだ。

席に着くと、資料が配布された。事務局員が会費を徴収して回る。ランチ代は千円とのことだ。しばらくするとお膳が運ばれてきた。私の目の前にも置かれた。これで千円とは。以前にもこのホテルでランチョン、つまりランチ会議が開催された時にも、同じ印象を持った。これは嬉しい。

「本日は議題が多いので、食事を済ませてから会議に入ります。」

進行役からの説明だ。確かに資料が多い。でも紙で配布するのはやめてほしい。荷物になる。資料は事前にPDFで配布されているし、パソコンで見た方が楽だ。

印刷されたやつは、字が小さくて見えない!!!

パソコンやスマホなら、指二本で楽々拡大できる。隣人はA4の資料をA3用紙に印刷するという、涙ぐましい努力をしていた。パソコンならそんな苦労も不要だよ。

「まずは食事を済ませてください。」

ご飯と味噌汁の配膳が済むと、さっそくランチを食べ始めるのだ。まずはサラダをいただく。ポテサラは口当たりが滑らかで、味はマイルド。野菜はみずみずしく、シャキシャキなのだ。薄味のドレッシングとの相性もいい。

続いては茶碗蒸し。固めに料理された食感は島豆腐のようだ。これならばスプーンは不要だ。箸で食べられる。鶏肉の味がよく出ている。絞り漬けはいぶりがっこにも似た味わいだ。ホタルイカ沖漬けは、香りよく、薬味が爽やか。コゴミが春の訪れを感じさせてくれる。

天ぷらは冷めてと衣がカリカリである。茶塩をつけて食べる。シシトウとかぼちゃは素材の甘みをよく引き出している。キスは身が厚くて脂がのっている。エビ天も茶塩によく合う。

豚ロース味噌焼き。肉は食感よく硬くない。味噌が肉の旨味を引き出し、甘みを添えることで味噌漬け独特の味わいを楽しませてくれる。飾りネギは見た目にも食べるにもいいアクセントだ。付け合わせのポテトクリームソース和え。ベーコンとクリームソースの香りがいい。口の中に塩気と甘みが広がる。美味い。同じく付け合わせの筍は、だしがよく染みている。ああ、こちらも春の訪れを演出してくれる。

美味かった。これで千円は安い。食後のお茶をいただいてフィニッシュなのだ。さっさと会議を終わらせよう。

残念なことに、このホテルは夜の食事がイマイチなのだ。懇親会ではあまり食べないようにして、二次会に期待しようではないか。

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