防府の名店
今晩は一人でまったりと食事をして、明日からの戦闘ではなく会議に備えようと考えていた。地元の知人である曽我さんに店を紹介してもらおうと、新山口駅で電車を待つ間、ラインで連絡を取っていた。すると、彼も新山口にいると言うので、防府まで乗せてもらうことにした。ところが、私を迎えにきたのは曽我さんではなく、外川さんだった。あれ?なんで?曽我さんは外川さんを迎えに新山口に来ていたらしい。
これで一人でまったりするわけには行かなくなった。防府では外川さんが主賓の宴席が設けられていた。遅れて参加とのことで私も一緒にと勧められたので、ご相伴にあずかることにしたのだが、一時間も遅刻すれば食べるものはあまり残っていない。
メニュー
仕方ない。二次会へ向かう皆さんを尻目に、私は団体からそっと抜け、一人でゆっくりと食事のできる店を地元の方に案内してもらった。それがこの焼肉店、三連勝だ。カウンター席に案内される。メニューは5つ。よし、全部持ってこい。え?カルビは売切れ?かまへんがな。
牛タン
まずは牛タンから焼く。
軽く焼いたらひっくり返す。
食べる。柔らかくて味が濃くて美味い。どこの牛か店主に尋ねてみた。高森牛だと言う。岩国市周辺で生産される、山口県の希少牛肉。なるほど、牛タンにもその片鱗を感じ取れる。これは楽しみだ。モツだけは長州牛とのことだ。いや、ネットで調べてみると「長萩牛」だ。萩で生産される牛肉とのこと。
キムチ
キムチは浅漬けで白菜がシャキシャキしている。コクのある辛さ控えめ。美味い。漬物は浅漬けの方が好きだ。牛タンとキムチを楽しみつつハイボールを流し込む。ああ、いいよ。至福の時間だよ。眼前にオーダーした肉が並んでいく。美味そうだ。来てよかった。
そして肉は無くなった
そのときだった。誰かが私の名前を呼びながら肩を叩いた。
え?
慌てて振り向くと、そこには江西氏が立っていた。
あれ?なんでここにいるの?
「いや、そちらこそ、どうしてこんなところで一人で食べてるんですか。奥の座敷にみんないますよ。」
みんなって誰?
「北海道の人たちですよ。ほら、行きましょう!」
私は肉と一緒にお座敷に連れて行かれた。
「かんぱーい!」
道民数名と酒盛りが始まる。私の肉は他人の手によって焼かれ、他人の胃袋に収まっていく。なんと言うことだ!
まもなく御開きとなった。え?ええ?私はキムチと肉一切れしか食べてないよ!
「ごちそーさまです!」
え?二次会も行くの?俺にとっては三次会だよ??
「いいから、行きますよ!ほら!」
江西氏に急かされてスナックへ。飲まされてデロデロだ。シャンパンパーティーが始まった。もういいよ、俺も入れるよ。シャンパン出して!マジックで顔に描くのはやめろ!お前ら何歳だ?
初日からこれで、私は無事に沖縄に帰れるのだろうか。不安だ。
俺の肉と時間を返せー!!!(涙)
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)