福岡県福岡市 博多駅 博多醤油ラーメン 月や

とんこつか醤油か、それが問題だ

博多めん街道。岡山から福岡空港経由で沖縄に帰る。遅めのランチを博多駅で食べることにしたのだ。たまにはラーメンでもと考えたのはいいが、ここ、博多駅にある博多めん街道には12の店が軒を連ねている。

博多めん街道 案内板
  • うどんは今日はいい。能古うどん、美味し。
  • ちゃんぽんも除外だ。
  • 辛麺は気分ではない。

これで9店に絞れた。さらにフィルターにかける。

一幸舎は以前に食べたのでパス。
shinshinラーメンも本店で食べたことがあるから除外。

これで7店舗。まだ半数にも絞れていない。だが残りの店は、6店舗がとんこつ、1店舗が醤油はラーメンである。

ここは博多。

博多といえば、ストレート細麺をバリカタで、ポタージュのようなドロドロで泡が湧いたような、匂いにむせるスープにすりゴマと紅生姜を投入し、キクラゲの食感をコリコリと楽しみながら、青ネギとスープと麺のコラボレーションを楽しむのが礼儀というものだ。

博多一幸舎豚骨ラーメン
博多一幸舎 豚骨ラーメン

醤油ラーメンを食べるなど、大阪で広島風お好み焼きを食べるようなものだ。
京都でいぶりがっこをいただくようなものだ。

あえて言おう、愚行であると。

だが、人間というものは禁忌に弱い。ダメと言われれば試したくなる。禁断の恋は蜜の味、タブーに挑戦せずにいて、何のための人生なのか。スープだけではない。ストレート細麺がデフォルト、常識の地において中太平打ち縮れ麺と、これまた正反対なアプローチなのだ。まさに熟女キャバに入ったら、ピチピチの若い娘がいるようなものではないか。

ああ、ミニソースカツ丼までセットになって990円。これで理性が保てようか。食わずにいられようか。五十路とは言え、まだまだ人としては未熟だ。人格者には程遠い。仕事の能力と性格の悪さには自他共に定評のある私である。

味あわせてもらおうではないか、博多の醤油ラーメンとやらを。

博多醤油ラーメン 月や

ランチメニューを見る。うーむ。

ランチメニュー

食品サンプルでは、かぼすラーメンと旨味たっぷりもつラーメンがおすすめである。いずれも美味そうだ。

食品サンプル

券売機と相対する。どれにするか。

券売機

一位 煮卵入りチャーシューワンタン麺
二位 かぼすラーメン
三位 もつラーメン

しかし、私の指が指したのは、ランク外のソースカツ丼セットであった。平打ちの太麺に惹かれたのだ。博多でとんこつではない、あえて醤油。さっぱりしたラーメンもたまにはいいだろう。ソースカツ丼は、今、ここで食べておかないと、のちのち後悔しそうだ。

一番奥の席に案内された。店内には英語のヒップホップが響く。ラーメン屋とは思えない。お冷からはほんのりと柑橘の香りがする。デトックスだろうか。

店内

白を基調とし、木目を生かした落ち着いた明るい内装はすでにラーメン屋ではないがカフェとも違う。まさに令和のヌードルレストランはインバウンド対応なのだ。

卓上調味料

テーブルには酢醤油、ラー油、コショウ、カラシ、柚子胡椒…最後の二つは何に使うのだろうか。ああ、カラシは焼売用なのだな。券売機に「でかしゅうまい」と書いてあった。

ソースカツ丼セット

「ソースカツ丼セットになります。テーブルの柚子胡椒をお使いください。」

店員がアドバイスしながら、私の眼前にラーメンとカツ丼が載ったお盆を置いた。なるほど、柚子胡椒は醤油ラーメンに入れるのであったか。

醤油ラーメン ソースカツ丼セット

富士山を逆さにしたようなデザインのどんぶり。これだとスープが少なく済むし、客も飲み干せる。替え玉文化の博多には似つかわしくない形状だ。加えてレンゲが異常にでかい。口の中には入らない。先日、奥歯をセラミックにした時に、歯医者で口の中に突っ込まれたマウスピースを想起させる。

醤油ラーメン

旨味と甘味が同居したすっきりとしたスープ。懐かしい味がしない、現代風の進化した醤油ラーメンだ。ネギとも相性が抜群。まさに令和の味だ。

麺はツルツルで滑らかな喉越し。キラキラに輝く平打ち麺はきしめんのようだ。しっかりとしてコシもあり、むちむちぷるん。たまらない。ワンタン麺ならば、さぞ美味いことだろう。

醤油ラーメン

唐揚げのように見えるトンカツは、食べてみれば間違いなくパン粉。恐ろしく細かいものをつけて揚げているようだ。そうだ、こいつにもカラシが必須ではないか。しっかりとソースが絡む。肩ロース肉だろうか。ご飯が少しべちゃべちゃなのが残念ではある。しかも味が単調なので、箸休めに漬物が欲しくなる。

ソースカツ丼

ここでアドバイス通りに柚子胡椒をスープに溶いてみる。ゆずの香りとほのかな辛味が味わいをリッチにする。スープがパワーアップする。柑橘の芳香が鼻孔をくすぐり、胡椒の辛味が後を引く。まさに前門の柚子、後門の唐辛子。

チャーシューは柔らかく、噛みしめるたびに繊維がほろほろとほぐれていく。めんまはチャーシューと対照的にしっかりとした食感、素材の味わいも楽しめるが、あくまでも脇役に徹している。スープの味を邪魔することはない。

醤油ラーメン チャーシュー

替え玉文化の博多で、スープを飲み干す文化のない博多で、一滴残らず完食してしまった。恐るべし醤油ラーメン。塩分摂り過ぎだべ。

さて、空港に向かおう。

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