2020年3月30日

福岡県博多駅 一番街 ロンフーダイニング

石焼麻婆豆腐に惹かれて

防府駅から新山口で新幹線に乗り換えて博多へ。福岡空港から沖縄に戻るのだ。朝方に岩国から那覇まで直行便が飛んでるのを思い出したのだが、時すでに遅し。あと30分早く気づいていれば、フライトを変更していた。

新山口では25分待ち。なんでこんなに接続が悪いのかと悪態をついていたのだが、考えてみれば土産を買う時間ができるし、新幹線も写真撮れるかもと、気持ちを切り替えた。

あ、瓦そばだ。

食べてみたかった。早速購入。妻も、ちゅるちゅる大好きなけいたまも、喜んで食べるに違いない。あとは…甘いものばかりだ。最近、糖尿になりかけの妻に与えると、我慢できないのは目に見えている。出産してから食事制限がなくなった反動で、冷蔵庫の中にアイスやチョコがあふれている。先日の検査で糖尿手前と医師に宣告されたばかりだ。

買い物をすませるとホームに向かう。ちょうど反対側にさくらが停まる。小郡(おごおり)駅、ではない、現在は新山口駅となったこの駅の新幹線ホームには、通過用の線路があるので、向かい側のホームと離れてしまうため、きれいに撮影できるのだ。

新山口から博多までは一時間もかからない。新幹線を降りたら地下鉄で福岡空港に向かうのだが、ここでランチタイムだ。乗り換えの間に食べられる時間は30分。13時には店を出なければ飛行機に間に合わない。

博多一番街を早足で歩く。日曜日の昼だからかなり人が多い。並んでいるような店はダメだ。天神ホルモン、混んでいる。ハンバーグ、今日も食べた。もつ鍋、一昨日食べた。うどん、うーん、いいかも。中華…麻婆豆腐が美味そうだ。

うん、辛いもの食べたい。麻婆豆腐食べたい。ここにしよう。

ロンフーダイニング

店内に入ると二人がけの席に案内された。ゆっくり座れる。カウンター席が満席なのが幸いした。メニューをみる。麻婆豆腐に心変わりはない。水を持って来たスタッフに即、注文。選べる辛さはサンダーにした。大げさに書いてあるが、日本の場合、大して辛くないことがほとんどだ。

今さらだが致命的なことに気づいてしまった。時間がないのに熱々の麻婆豆腐を頼んで、時間内に食べ終わるのか?なんで、もっと早く食べられるものを頼まなかった?

俺はバカか?

しかし、落ち込んでる暇はない。すでに引くに引けないところまで来てるのだ。前進あるのみなのだ。

隣の席の女性ひとり客も麻婆豆腐を頼んでいた。人気メニューなのだろうか。

早く来い。時間が過ぎていく。ああ、本当にもっと早く食べられる、そう、冷麺とか冷やし中華なんかにすればよかった。

バカだ。

うどんの方が、出てくるのも食べるのも明らかに早かったよ。

後悔しか出てこない。かといって、このまま店から出るわけにもいかない。なに、飛行機に乗り遅れたところで、命(たま)まで取られることはないさ、と自分に言い聞かせつつ、早く来い早く来いと念じるしかなかった。

遅い。

ようやく石鍋か出てきた。取り分け用の小皿も付いている。金属のスプーンで熱々の豆腐をすくい、熱伝導が低い木のスプーンで、冷めないように食べるという気遣いだろうか。

まずはスープから。うん、典型的な中華スープだ。優しい味が空腹の胃にしみる。うん、ついつい飲んでしまうな。

続いてはサラダだ。ネギの辛味がアクセント、大人の味だね。中華ドレッシングとの相性もバッチリ。野菜はもう少しみずみずしいと嬉しかったかな。まあ、悪くない。

さて、麻婆豆腐だ。そろそろグツグツと言わなくなった。小さな皿に取り分け、木のスプーンで食べる。

このスプーン、厚みがあって食べにくい。口に入れる。

熱い。分かっていたが熱々だ。それに辛い。ちょっと本格的だぞ、これは。美味しいのだが、辛味が立ちすぎて、旨味があまり感じられない。花山椒のシビレ具合もイマイチだ。

この熱さ、この辛さで時間内に食べ進められるのか。もう一口。今度は固めに炊かれた、私好みのご飯と一緒に食べてみる。

うまい。

そこにザーサイを追加。

気持ちいい。爽やかだ。

よし、ひたすら食うのだ。熱いのはこの程度なら我慢なのだ。辛い、なんでこんなに辛いのだ。汗か首筋から吹き出てくる。

いつもならちょうどいいくらいなのに。

なぜだ。ゲホッ!辛さに誘発されて咳が。そうだった、体調が優れないのだった。今朝方も咳き込んでねれなかったのに、なに考えてんねん、ボゲッ!

ああ、そうか!なぜ気づかなかった!ここは博多。辛子明太子に辛子高菜、辛いものに慣れ親しんでいるお土地柄だ。東京や大阪みたいに、辛さを容赦する必要性など皆無なのだ。

オーマイガッ!

引き返したいが引き返せない。天井まで連れていかれてバーを引き、再び天井近くまで連れてこられた南国育ちのようだ。蝶が光るまでは俺も引けないんだよ!食べ進むのみ。ああ、涙と鼻水も出てきたよ。顔からも汗が噴き出すよりなんの罰ゲームだよ。

石鍋だから、麻婆豆腐がちっとも冷めないよ。熱々のままだよ。ザーサイだけがおいらの味方さ。ご飯は辛味を和らげてくれるが、所詮、麻婆豆腐とペアだ。グルだ。一人では生きていけないやつなのさ。

イライラしてきた。だから、木のスプーン、使いにくいんだよ!顔からいろんなものが出てきたよ。咳が止まらないよ。あと二分しかないのに、まだ半分残ってる。隣の女子は麻婆豆腐が来ても、全然手をつけない。冷めるのを待っているのだ。正解だよっ!

タイムアップだ。三分の一を残してフィニッシュ。伝票を持って席を立つ。Suicaで支払いを済ませ、地下鉄に向かう。ギリギリ乗れた。

間に合ったかな。

空港に着くと、飛行機は五分遅れ。余裕だった。ゲートに向かう途中、素敵な店を見つけた。最初からここで食えばよかった。残りの人生、本能のままに麻婆豆腐を注文することは、絶対に避けることにしよう。

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