昼得定食とんかつ

福岡県福岡市 博多駅 濱かつ 昼得定食

博多駅ランチ

新千歳空港からの飛行機は福岡空港に着陸した。現在時刻は13時半。千歳を離陸したのは11時半。機内でランチタイムを過ごしたのだが、弁当は食べたくないので、ラウンジのおにぎりで飢えをしのぎ、九州にたどり着いた。雲が少し多いものの、天気はそれほど悪くない。

博多駅で新幹線に乗り換え鹿児島に向かう。北海道からの九州への飛行機は福岡行きしか飛んでいない。かと言って羽田で鹿児島行きに乗り換えるのならば、アクセスの良い福岡空港から新幹線の方が楽なのである。

そうなると、ランチは博多駅で摂るのが必然となる。さて、何を食べようか。

博多ごはん処

福岡空港から地下鉄に乗り、博多駅で降りる。重いカバンを持っているので、階段で上るのはきつい。こんなに広い駅にもかかわらず、地下鉄から地上に出るエレベーターは一つしかない。エスカレーターは存在しない。エレベーターはデイトスに位置するので、自動的に筑紫口に出ることになる。ここには博多めん街道があるのだが、麺類では不満だ。がっつり食べるなら地下一階の博多ごはん処に行くべきである。

ここには18店舗がある。どれにしようか。地下街をぶらつくことにする。しばらく歩いて目に付いた看板。ランチメニューである。大好きなトンカツである。

夏限定メニューなるものもある。

テイクアウトもできるのか。

原材料の産地情報まで掲示されている。よし、この店に入ろう。

博多駅 濱かつ

店内に入るとカウンター席に通された。テーブルには様々な調味料が置かれている。

メニューを見る。よし、ここは名物のオランダかつが入った「昼得セット」だ。ご飯は麦か白飯、キャベツは千切りか角切り、味噌汁は白味噌か赤味噌を選ぶ。プラス200円で貝汁にもできる。

ゴマは自分で好きなだけとって擦る。すり鉢から香ばしいゴマの匂いが立ち上る。ソースは秘伝と辛口。セオリー通りに一対一を加えるが、箸がないために混ぜることも味を見ることもできぬ。カラシはパックになっている。透明な無機質な包装ではない。

秘伝のソースをなめてみる。酸味の効いたライトな味わい。個性的だ。

昼得定食

「ヒレカツ定食です〜」

不意に店員が声をかけてきた。え?ヒレカツ?違うぞ…ああ、昼得定食って言ったのね。ほう?

通常、キャベツととんかつは同じ皿に盛られているが、ここは別皿だ。金網でとんかつを浮かしてキャベツの汁気から保護するよりも合理的だ。ありそうで、なかったレイアウトである。味噌汁にとんかつ、キャベツ、漬物で見た目にも一日三菜。和食の基本である。

いや、とんかつはとんかつで独立しているにもかかわらず、金網で浮かしてある。そう、熱々の揚げ物は、その下部に空間を作らなければ、自身が発する湯気で衣をべちゃべちゃにふやかしてしまう。まさにハリネズミのジレンマ。だが、これを簡単に解決する方法がある。家庭であれば、切ったとんかつの肉の面を下にして皿に盛れば、衣が皿に触れることがない。ただ、店でやると、切ったとんかつを一切れずつ、いちいち向きを変えて皿に盛らなければならず、生産性が落ちる。そんなのは変わり巻きとんかつのような、断面を見せることでデコレーションするものだけでいいのだ。まさにこの点を押さえた盛り付けである。見事なり。

薄くスライスされた、きらきらひかる真っ白なキャベツスライスに、黄色いドレッシングをかける。なかなか出てこない。ビンを振るとどさっと落ちてきた。すりおろし野菜をビンから落とし込んでいるかのようである。

このドレッシングがなまら美味い。まるで野菜ネクターみたいだが、黒酢のコクに玉ねぎとリンゴの香りと甘み、人参の旨味、適度な酸味でさっぱろしているのでくどくない。キャベツだけでなくトンカツともマッチする。

トンカツは衣サクサク、肉が柔らかい。ソースとからしもいいのだが、塩で食べるのもいいのではないか。さっそく、ミルで引いた真っ白な岩塩に肉をつけて頬張る。うむ。このほうが豚肉をストレートに味わえる、塩が旨みを引き出し、衣の油が甘みを加えてより味わい深くなる。脂はあまり感じられない。ヒレカツだろうか。 オランダかつはチーズ入り鳥豚メンチカツだ。口の中でほぐれて溶けていく。

漬物は三種、充実している。ご飯にもあう。これはたまらない。赤出汁もいい仕事をしている。ご飯の炊き具合も私好みだ。どのおかずでも受け止めてしまう。

お土産もあります

ドレッシングがとても秀逸であった。これは妻にも食べさせたい。レジにはメイドイン浜勝と銘打って、ドレッシング、長崎ぶぶ漬け、モンゴル岩塩、秘伝のソースなどが販売されていた。

会計時にドレッシングをお土産に購入。生ものなので、要冷蔵な上に一週間しか持たないとのことだ。製造元を見るとリンガーハットと書いてある。

自宅でキャベツスライスにかけて食べてみる。うまい。妻も喜んでくれた。コスパも悪く、大量に買えない生ドレッシングである。また博多に寄ったときにでも、買って帰ろう。

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