三丁目の島そば屋 島そば

沖縄県宜野湾市 三丁目の島そば屋 炙り軟骨ソーキそば

ランチに行こう

三重県で壊れた愛機の修理が終わったと連絡がきた。パナソニックの修理センターは浦添市城間にあるので、せっかくだから妻とランチに行くことにした。ネットで調べるといくつかの店があった。今日は月曜日。休みの店も少なくない。ネットで見つけた複数候補を妻に上程した結果、三丁目の島そば屋なる店に行くことになった。

住宅街の細い道を通り、公園の前に出ると店はあった。店の前の駐車場は一部だけが来客用なので注意だ。店の真ん前は停めにくいので、車から降りて妻をフォローしながら駐車した。

三丁目の島そば屋

店の外には「沖縄そばランキング1位」の看板が堂々と掲示されている。その下にはピンク色の派手なカラーリングを施された、笑顔のシーサーがいる。普通は一対なのだが、この店には一匹だけだ。魔除け用では無く、ただのモニュメントなのであろう。

メニュー

ドアを開けて店に入る。まずは券売機との格闘が必要だ。沖縄そば、炙り軟骨ソーキそば、島そば、アーサそば。どのボタンを押せばいいのかわからない、期間限定の沖縄カレーそば。フーチバーは30円でトッピングできる。

しばし熟考。メニュー選択は私の担当だ。カレーとアーサは我々的に「無し」であるから除外。「沖縄そば」は三枚肉が二枚。「島そば」は三枚肉が二枚に炙り軟骨ソーキが一本。「炙り軟骨ソーキそば」には二本。チョイスしたのは島そば並と炙り軟骨ソーキそば並にフーチバートッピングである。ジューシーは…

「当店のそばは全品ジューシー付き」

と書いてあるので、これで十分だ。左上の方には「クーブイリチー付き」との記載がある。

店内

券売機の奥には厨房とカウンター、右手と左手にテーブル席がある。我々は左手のテーブルに案内された。

右手のテーブル席。落ち着いた内装の店内。窓から明かりを取り入れた明るい室内。心穏やかに落ち着く内装に流れるBGMはモダンジャズ。なかなかのセンスだ。どらえもんのような、昭和が香る年季の入った店内も嫌いではないが、カフェの要素が少々入ったモダンなデザインだと女性や若い客にもウケるのだろう。

机の上にあったメニューを一読。食券を買った後に見せられても、タイミングが遅すぎる。少々当惑させられたが、まあいい。出てきたものを食べれよいのだ。

この店を選んだ理由の一つが生めんを使用していることである。そもそも沖縄そばは一度ゆでた麺に油をまぶして絡まないようにしてから一晩寝かして熟成させる。それをお湯に入れれば、油はお湯に溶け、麺はすぐに温まるから、迅速にサーブできる、元から即席めん仕様なのであるが、その代償としてコシが弱い。21世紀に入ってから、沖縄そばにも生めんタイプが出現した。コシのあるもちもちとした滑らかな食感が特徴である。昔ながらの麺も悪くはないが、個人的には生めんが好きだ。

最初に生めんと出会ったのはモノレール安里駅前の中村そばであったが、十年以上前に生めんの取り扱いを辞めていた。理由は恐らく一つだ。ゆでるのに時間がかかる。面倒くさい。客が遅いと文句を言う、客の回転が悪くなる。列挙してみると一つどころではなかったか。生めんはゆでるのに7~8分を要するのである。

島そばと炙りソーキそば

あつあつのそばが運ばれてきた。湯気が立っている。白と青の縞模様のどんぶりに入った島そば。炙りソーキ一本に二枚の三枚肉である。ロータス1-2-3である。茶碗のジューシーと小鉢のクーブイリチーがセットだ。トッピング用のフーチバーは別皿に入っている。

黒いドンブリに入った炙りソーキそばには炙りソーキが二本、同じくジューシーとクーブイリチーがセットである。それに別皿にフーチバー。沖縄県内のそば屋には「フーチバーそば」と書かれているメニューがあるが、やもすると練りこみタイプだったりする。トッピングのフーチバーが練りこまれているはずもないので、安心して注文できる。

食べる前にフーチバーをどんぶりに投入。躊躇してはならない。熱々のうちに入れてしまわないと、フーチバーがしんなりとならないのだ。野菜を加熱するとふにゃふにゃになるのは、熱によって細胞壁を接着しているペクチンが溶解するためである。ペクチンの溶融温度は80度。湯気が立っているうちにスープに浸さなければ、フーチバーは固いままなのである。

沖縄そばを堪能する

あっさりかつおだしのスープは優しい味だ。ホッとする。空腹で飢えて荒んだ心を和ませてくれる。これだけで沖縄そばランキング上位に食い込むのが納得できるというものだ。麺は太めのちぢれ麺。コシはあるが食感がいまいち…か。ゴワゴワする。

食べ進むうちにスープが染み込んのだろうか、ゴワゴワだった太麺の食感が良くなりスープが馴染んできた。時間差攻撃か。三枚肉は薄味で上品、しっかりと素材の味を楽しめる。

軟骨ソーキはトロトロだ。コリコリがない。コラーゲンが溶ける。軟骨まで煮込んであるとのことだ。炙ることで焦げ目の香りが食欲を一層そそる。やわらか一辺倒の食感にアクセントが加わることで楽しみが広がる。

高菜の漬物はシソの香り。ジューシーはほんのり甘めで量は三分の一、絶妙な量だ。スープもすべて飲み干して完食。久しぶりに美味い沖縄そばを食べた。

帰りの車の中では妻がそばを絶賛。県内にあまたある店の中で、本当に美味しいと自信を持って勧められる店はそれほど多くない。妻と二人、沖縄そばランキング一位に納得して店を後にした。

(Visited 32 times, 1 visits today)