2020年4月9日

福井県福井駅 越前蕎麦 見吉屋本店

仮説と実証

長野駅から新幹線「かがやき号」に乗り、金沢に向かう。天気はイマイチ。待合室にいると、アナウンスが聞こえた。ホームに向かう。金沢までは一時間ほどだ。乗換時間は三分しかない。果たして乗り換えできるのか。

金沢駅の新幹線と在来線のホームは同じ階にある。ホームから下に降りて、改札を通ってホームに上がれば済むだけの話だ。理論上は三分間もあれば乗り換え可能である。しかし、事件は常に現場で起きている。机上の空論はあくまでもシミュレーションでしかない。だからこそ、現地での実証が重要なのだ。そうやって科学は発達、進化してきたのである。

新幹線は静かに滑るように金沢駅のホームに滑り込んだ。ドアが開くと早足でエスカレーターに向かったのだが、なんてことだ!ものすごい行列だ。ならば階段で…も無理だ!ここは上り下りともエスカレーターになっていて、人混みを逃す動線がない。

マジか?!

焦っても仕方がない。大人しく並ぶ。階段を探してしまったがために、行列の後ろに並び直しだ。時間(とき)が刻々と過ぎていく。東京なら左一列に荷物を持った人が並ぶ。幸い、ここは金沢。地方都市だ。二列でエスカレーターに乗っている。効率的だ。ターミナル駅や空港でエスカレーターの一列を空けるのは、無駄でしかないからやめてほしい。

一階に着いた。電光掲示板にはまだサンダーバードの表記がある。間に合うのか?エスカレーターでホームに上がる。

おお!

電車はそこにいた。急いで乗らねば…あれ?ドアが開いてないよ。開けるボタンでもあるのか?各停じゃあるまいし。

え?

私の脇でゆっくりと電車が動き出した。ホームの先に立っている駅員が、深くお辞儀をしている。

ギリギリアウト!(涙)

やはり机上の空論はあくまでも理屈でしかない。事件は現場で起きているのである。今回の実証から得られた教訓は下記の通りだ。

  • 五分あれば乗り換えられる
  • 乗り換えに失敗すると、一時間は電車がない

仕方なく、一時間後の特急を待つ。ん?ホームの先に赤い列車が見えた。近づいてみる。

花嫁のれん

観光列車か。こいつに乗って和倉温泉に行くのもいいかなあ。電車に乗れなかったことを打合せの相手に連絡する。え?鯖江ではなく、福井で降りろと。

なんで?

ソースカツ丼とそばの美味い店は福井市にある、か。なるほど。了解なのだ。

越前蕎麦 見吉屋本店

打合せ相手は鯖江市民だ。今日は週一のラジオ番組の出演があるとかで、福井駅前で打合せするのが便利だとのことだ。彼の車で街中に向かう。店は福井唯一の繁華街に位置するらしい。

ここか。

店に入る。典型的な蕎麦屋の内装だ。さて、何を食べようか。

ふむ、セットがいいな。ソースカツ丼と冷たいそばのセットはどれか。チーズカレーそばも気にはなるが、このおすすめ定食Aにしようか。玉子でとじた、いわゆる普通のカツ丼は玉子カツ丼と呼ぶのか。

しかし、蕎麦は卵とじそばと記載がある。なんでやねん。

最近、どこかでもソースカツ丼を食べたな。そうだ、北海道の浦河だ。昨年は同じ北海道の名寄でも食べたな。

打合せをするうちに私の蕎麦がきた。

地元民はソースカツ丼を食さないとかで、玉子カツ丼だ。ものすごくトロットロの卵だ。これはすごい。

蕎麦はひんやり冷たくて気持ち良い。平めんなのにのどごし良い。大根おろしが口の中をさっぱりとさせてくれる。蕎麦と鰹節の香りもいい。つゆは甘めで薄口だ。

ポテトサラダは酸味が強いマヨネーズを使っている。好みの分かれるところだ。私はマイルドな方が好きだな。

煮物は漬物のような味だ。蕎麦によく合う。

ソースカツ丼はソースをくぐらせてもべちゃっとしない、しっかりとした衣が付いている。一口かじる。衣はサクサクだ。硬くはない。うん、名寄で食べたソースカツ丼は衣がものすごく硬かった。ここは違う。衣が薄い。肉が柔らかい。

甘めのソースはくどくなく、肉の味を消し去るようなこともない。絶妙なバランスだ。カツの下には少量のキャベツスライスとご飯だ。カツと比して、ご飯の量は少なめだ。ミニ蕎麦も量的にちょうどいい。箸休めのたくあんも、ついついつまんでしまう。

うん、美味い。蕎麦もカツ丼も美味い。地元民に連れて来てもらった甲斐があるというものだ。

ただ、イマイチボリュームが足らないかな。夜まで腹持ちするだろうか。その時は、また駅そばのお世話になるとしよう。

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