美幌町ディナー
北海道美幌町。女満別空港から車で10分ほどのアクセスの良い街だ。昔からこの辺りの交通の要所とのことらしい。夏にも北見から根室への移動中に通り過ぎ、美幌峠で屈斜路湖の素晴らしい眺めを見た。
今回、たまたまこの街を訪れ、昼と夜と食と観光を楽しんだ。もちろん、遊びに来たのではなく、仕事である。会議である。よって、拘束時間も短くない。自ずと夜しか自由時間が取れないのは仕方がない。
十月五日、前日は午前二時まで鈴木とススキノで飲んだ。彼は後半、記憶をなくしていたらしい。五十路の体に鞭打って、七時半に起きた私は、新千歳空港から飛行機に乗り、女満別空港に降り立った。なんと、タクシー乗り場に車がいない。
ブラックジョークか。
たまたま同じように困ってタクシーを呼んだという札幌から来た知り合いと合流できたので、タクシーに便乗させてもらった。それから夕方まで会議だ。会議の後は懇親会だ。二次会だ。
疲れた。
亜・來舞(あ・らいぶ)
そのまま三次会に突入すると大変なことになる。五十路の身体にイッキ飲みは辛い。さりげなくおっさん達の群れから離れ、一人ホテルに向かった。
なんだか腹も減ったし、飲み足りない。
道を歩いていると、ふと目に入った店のドアを開けた。
「うどん 天ぷら 丼 亜・来舞(あ・らいぶ)」
メニュー
中は大きなカウンターといくつかのテーブル席だった。客は誰もいない。ママが一人で切り盛りしてると言う。
ツマミは鳥串、豚串、ハムカツの三択のようだ。
ハムカツ
ならばハムカツを食べてみよう。
熱々のサクサクだが、ハムカツはハムカツだ。衣が厚いので、ハムサンドを食べてるような気にもなる。これはこれでありだと思う。
しばらくして、年配の酔った地元客が入ってきた。ママと二人で昔の話をしてくれた。昔は若い人が多くて、こんな町にも風俗街があったと言う。そもそもの産業は何かと聞けば、自衛隊だそうだ。昔は四千人もの部隊がいた。基地だから大半が若い人だ。それが今は千人となり、街が寂れたそうだ。
天ぷらそば
締めの天ぷらそばを注文する。蕎麦屋ではないのでそこまで期待はしていないが、深夜の店ならばまあまあか。天ぷらは熱々のサクサクだ。
ママと「さすらいの太陽」の話で盛り上がった。後日、復刊ドットコムで購入して読んでしまったのであった。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)