目が覚めると、窓からは雲と空しか見えない。時間は11時58分。周りはすでに食事を始めていた。
私も食事をもらうことにしよう。さて、今日の献立は何かな。
- 薩摩芋甘露者
- 蓮根甘酢漬け
- 花豆者煮
- 鶏ピリ辛焼き
- 塩茹でスナップエンドウ
- 赤蒟蒻含煮
- 法蓮草とぜんまいのお浸し
- 玉子焼き
- 子持ち昆布
- 煮物(蕪、水菜、舞茸、人参)
- 蛸飯
- つぼ漬け
いただくとしよう。
煮物は味付けが上品。シャクシャクした食感のマイタケに生姜の刺激が新鮮だ。人参は柔らかく、エグミなく、素材の良さを生かした味付け。これにタコ飯を…冷たい。
相変わらずご飯が冷たい。ベチャベチャの冷たいご飯。うそぉ…たけのこも冷たい。タコは柔らかい。このメンツで冷たくていいのは壺漬けだけだ。ドクダミダミダミ〜!
冷たいご飯は嫌いだよ。
水菜にも出汁が染みている。鶏そぼろあんとの相性がいい。
さつまいも甘露煮は甘くない。これでは甘露ではない。甘さ控えめというか、ほんのり甘みというか、素材の甘みを殺しているというか、だけど好きな味である。
レンコン甘酢漬けはシャキシャキとした食感に甘酢だけではなく梅酢のような酸味がする。食欲を刺激される味である。花豆煮は甘い。さつまいもより甘い。デザートだな、これは。食べる順番を間違えた。最後にとっておこう。
ほうれん草とセンマイのおひたしはほうれん草と出汁の味しかしない。上品な薄味なのに、冷たいタコ飯と一緒に食べると、味が消える。歯にしみる。知覚過敏か、私は?
塩茹でスナップえんどうはゆで加減も味付けもちょうどいい塩梅である。鶏肉も肉の味がよく出ている。ピリ辛ではないな。甘い。赤こんにゃくの含め煮はどこだ?該当なしである。
こういうことが、たまにある。急なメニューの変更だろう。
卵焼きは噛むと出汁がじゅわっと染み出てきた。すごいなあ。甘くない。うすしお味である。冷たい煮物と冷たいタコ飯を一緒に食べる。温かければ何倍もうまいと思う。熱いから気をつけろと言われた味噌汁もすぐに冷たくなった。熱いお茶はすでに飲み干してしまった。
アテンダントを呼んで、お茶のお代わりをする。ああ、温かいものが早く飲みたい。寒くはないが、口の中が冷たい。寂しい。ひもじい。
フィニッシュの花豆煮を残すのみなのだ。早く、茶を持てい!早くせぬか!茶はまだか!
窓から見えるのは雲ばかり。天気が悪い。まだ茶が来ない。食事を終えることができぬ。ようやく来た。最後の花豆煮を食べて完食。雲より高い高度を飛ぶ飛行機内では、お湯は百度まで行かぬとも沸くので、熱々のお茶はまさに飲み頃の温度なのである。
ふー、酒もだいぶ抜けてきた。沖縄まではあと一時間。一眠りしよう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)