ANA プレミアム御膳 新千歳—羽田 ランチ

新千歳空港12時半発のANA便で羽田を経由して沖縄に戻る。小樽発10時半のエアポート快速に乗れば間に合う。余裕と思っていたが、昨晩、たっぷり飲んだせいで、なかなかきつかった。10時前にホテルを出ると、駅前の長崎屋なのかドン・キホーテなのか、よく分からない店で鮮魚類を購入。もちろん、恒例の物資補給である。エアポート快速で終点まで再び眠りについた。

離陸してしばらくすると食事が運ばれてきた。さて、何が食べられるのだろうか。ワクワクしながらふたを開ける。

ツナと人参の柚子胡椒ご飯は薄口の味付けで、どのおかずにも合いはするのだが、ツナと人参の組み合わせというのは、なんだか沖縄のお弁当のおかずみたいで、チープな味というか、チャンプルーみたいというか、ついつい苦笑いしてしまう。

メインは牛すき、焼き豆腐、椎茸、花形人参、とろっと玉子である。味がしみたしいたけは美味いだけでなく、プリプリとした、しいたけ独特の食感も楽しめる。そして姿を現したトロッと玉子。ふわっと玉子でも間違いではない。自然な玉子の甘みが、しっかりと調味料の甘みがついた牛肉を包み込み、マイルドな味わいとなる。薄味の豆腐と合わせて食べれば、玉子の甘みで味わいが広がる。

うーむ。

美味いのだが、七味が欲しくなる。知人でひとり、常にマイ七味を持ち歩いている者がいる。京都の激辛七味だと記憶している。こんな時に役に立つのだな。私も持ち歩こうかなと、少しだけ思った。

梅山牛蒡は見た目ほど梅の味はしない。山牛蒡にほんのりと梅の香が漂う上品な味わいだ。これはいい。隣には大量の桜漬け。いくら漬物好きの私でも、これは無理だ。ご飯の量と漬物とのバランスが悪すぎる。お茶請けとでもいうのか。箸休めとでもいうのか。冷たい料理の味付けにでも使えというのか。

安納芋プランマンジェ 彩りアーモンド添えはひんやりとして、口当たりなめらかなムースから上品なサツマイモの甘みが口いっぱいに広がる。アーモンドの食感がアクセントとなり、ただの流動食ではないことを主張している。甘さ控えめ、量も一口。五十路のおっさんにはこれくらいがちょうどいい。

そうだ、女子部隊とのお茶会に冷凍チーズケーキを買って送らねばならなかった。忘れぬようにメモしておこう。

蟹つみれ春菊あんかけもよく冷えている。ひんやりとしたつみれを口に入れる。食感はいい。味がしない。風味も感じない。何を食べているのだろうか。分からないまま終わる、そんなのは嫌だとアンパンマンにも歌われているのに。

わかさぎ南蛮漬けは冷たい。味は酸味控えめで好みだ。苦味は大人の味わいだり骨まで食べられる。

厚焼き玉子も冷たい。ほんのりと玉子の甘みを感じるが、卵焼きを食べている実感は食感からしか感じ取れない。

鰤胡麻味噌焼きも冷たい。ごま味噌の風味など一切ない。塩麹焼きと言われても分からない。ただ 、食感からタレにつけて焼いたブリを食べている気がする。

さつま揚げ、冷たい。味があまりしない。食べているうちに口の中で温まり、少しずつ味わいが滲み出てくる。豚炙り焼きもそうだ。冷たい肉塊を口の中で混んでいるうちに脂が溶け出して甘みが出る。しかし肉はすでに歯で細かく砕かれ、味わうと行った風情ではない。

毎回思うことだが、冷たいおかずは食べたくない。

眼下に霞ヶ浦が見えた。もうすぐ羽田だ。乗り換えれば沖縄だ。早く家に帰りたい。

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