らーめん燕 チャーシュー麺

秋田県秋田市 秋田駅 川反 らーめん燕 肉中華

締めはどこだ?

秋田市の繁華街、川反(かわばた)。ここで飲むのは何回目だろうか。飯も酒も美味い、女性は秋田美人と言うくらい。ついつい呑み過ぎてしまった。そして腹が減った。食べちゃダメだと思いつつ、血糖値が下がると空腹感がもたらされ、己の体の内に眠っていた生存戦略のための本能が呼び覚まされる。

食欲だ。

しかもだいぶ酒を飲んで酔っている。酒は人が人たらしめる「理性」と「知性」を無効化する危険な化合物の混合液である。こんなものを「お神酒」だの「ぬちぐすい(命水)」だのと名付けてありがたがってきた先人の気持ちはよく分かる。で、理性と知性が亡くなれば、人は本能に忠実だ。腹が減ったら飯を食う、パンがなければケーキを食べればいいのだ。

気がつけば北海道民のオヤジと二人きり。目の前にはラーメン店。店頭には旨そうな匂いが漂っている。

今年、彼とこうやってラーメンを食べるのは何度目だろうか。広島でも食べた気がする。彼は何の疑問も躊躇もなくラーメン屋の扉を開けた。私とは一歳しか変わらないのだ。深夜に脂肪と塩分と炭水化物の塊を食べるのなら、もう少し戸惑っても良さげな年頃ばい。

らーめん燕

店に入ると例によって食券機が我々を出迎えた。汁物を食べたいので、まぜそばは却下である。どうせならガッツリ食べたいので肉中華を選択する。山形は鳥中華だった。

ところでチャーライってなんだろうか。まさかのチャーハンライス?貧しかった学生時代に、ご飯に醤油をかけたものをおかずにご飯を食べたという話を聞いたことがある。バカじゃないかと思った。それなら、ご飯を醤油で炒めておかずにした方が美味だ。

同じ思考回路でチャーハン&ライス?ラーメンライスとチャーハンを同時に食べたいと言う、まさに味噌汁とラーメンを合体させた札幌ラーメン的思考であろうか?ネットで調べると大阪の「チャーライ」が有名だ。チャーハンをオムライス風にしたものらしい。だが券売機の写真は明らかに別物だ。その正体や如何に?!

チャーシューライス(小)のことを、秋田県では「チャーライ」と呼ぶらしい。なんだ。

店内はU字型のカウンターのみ。牛丼チェーン店と同じレイアウトだ。おひとりさまが多いのだろう。

嬉しいことにアルコールが充実している。明らかに市販されている缶だろう。ハイボールを注文したところ、見事に缶とジョッキを手渡された。

肉中華(チャーシュー麺)

ハイボールを飲みながら北海道民と会話をしていると、肉中華が運ばれてきた。おお、どんぶりからは煮干しの香りが立ち昇ってくる。扇状に配置されたボリューム感のあるチャーシュー、扇の根元には岩ノリとメンマ。丼中央にきざみ玉ねぎと鳴門が配置されている。見事だ。ビジュアル的にも食欲をそそられる。

このあたりは平打ち麺が多い気がするが、この店の麺は断面が真四角だ。食感はいわゆる「つるつるしこしこ」である。油まみれではない醤油スープにとてもよく絡む。小麦粉の旨味、魚介の匂い、いずれもくどくない。自然と調和する。なかなかイケる味わいだ。

あとで知ったのだが、この店は燕ラーメンの名の如く、新潟県の燕三条のご当地ラーメンだとのことだ。麺はうどんのような極太麺、出汁は煮干等の魚介系、濃口醤油を使った醤油ラーメンに豚の背脂がスープ表面にたっぷりとのるらしい。

だが、チャーシュー麺にはそれほど背脂は入っていなかった気がする。こってりとはしていたが、まったりとはしていなかったように思うが、酔っ払いの記憶なのであてにはならない。

翌朝、起きてから気付いた。奇遇なことに、本日の目的地は燕三条である。そうか、これで今晩はラーメンを食べる必要がないな。夜はとっとと帰ることにしよう。

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