明石のタイ料理
兎にも角にも定刻となり、会食は始まった。社長は少し遅れると連絡があった。私は西明石のホテルを取ったが、社長は三ノ宮だという。15分ほど遅れて社長が到着。会話は弾むが、案の定、二人ともまったく料理に手を付けない。
最初、本日の会食が「タイ料理」と聞いた時、当然、明石の鯛を使った和食なのだと思っていた。鯛しゃぶだと疑わなかった。それが明石でタイ料理…地元民は毎日鯛を食べるわけではなかろうが、よそ者はその地の名物を食べたいものだ。え?この店もなかなかイケるって?あのね、あんたがたは沖縄に来てお好み焼きを食わされたら、どんな感想を持つかね?
まあ、いい。私はエスニックが好きなので、気にせず食べよう。
前菜プレート
豚肉うまい。ニンニクと香辛料が効いて、私にはたまらない。私の好物のパクチーが入っているから、社長は食べられない。
青パパイヤのサラダことソムタムは和風。ニンニクは効いてるが辛くない。本場のソムタムは私でもかなり辛いと感じる。飾りニンジンがえぐみない。野菜がうまい。甘辛のドレッシングが野菜の旨味を引き出す。辛いので、社長は食べられない。
エビ唐揚げは味噌がうまい。もちろん、身もうまい。殻付きでカリカリ。タイ料理ならではのエビの味わい方だ。オイスターソースの効いた野菜炒めソースの玉ねぎの甘みが、唐揚げをさらに美味くする。ビールに合う。玉ねぎが入ってるから社長は食べられない。
二品目 生春巻き
これも和風。もっちりとしたライスペーパーに、中身がぎっしりと詰まっている。ソースもサワーソースではなく、さわやかな甘辛タレ。ニラと大葉の香りが香ばしい。
懸念していた通り、相談役も一切、箸をつけない。ポツリと一言。
「なんで今日はタイ料理なんかねえ。」
私も理由を知りたい。いや、今まではたまたまうまくいっていたのだろう。ほとんど和食の店だった。たまに中華だ。今度からは社長や相談役が参加する会食では、事前にエスニックは避けるように情報を伝えるようにせねばならぬ。
鳥の燻製は香辛料控えめ、ほんのり漂うスパイスの香りと、ぎゅっと詰まった鳥の旨味。これもビールに合う。
空芯菜炒め
なかなか辛い。ニンニク、唐辛子にナンプラーベース。初めて食べる味だ。辛さが後に引く。
トムヤムクン
和風なのだろうか。個人的にはガツンと酸味が欲しいが、本場の味だと食べられない人も少なくないように思う。トマトが入ってる。レモングラスを使ってないのか。パクチーの香りがいい。でかいエビがぷりっぷりで美味い。
白身魚唐揚げあんかけタイ風
ピリ辛で後を引く。パクチーの香りと魚とタレの相性が抜群。個人的にはたっぷりのパクチーで食べたい。
パッポンカレー
カニだ。カニカレー。殻付きでまるごと。ワタリガニだろうか。肉の味もする。セロリも入っている。香り野菜のお祭りだ。食が進む。
美味かった。ご馳走様!
完食の私と対照的な社長と相談役の皿。この後、二人とも腹が減ったと、どこかに餃子を食べに行ったらしい。私は地元民とスナックに行きましたよ。最後はタクシーで西明石のホテルまで送ってもらいました。
次回は明石に泊まります。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)