以前から気になっていた店
北海道、新千歳空港から岩見沢にレンタカーで通うようになって2〜3年になるだろうか。JRならばエアポート快速で札幌まで行き、スーパーカムイに乗り換えて岩見沢に行くのが一般的だが、実は結構な遠回りで1時間半はかかる。距離で言うとJRでも新千歳空港から南千歳で石勝線に乗り換え、追分でさらに室蘭本線に乗り換えて終点の岩見沢まで行くと少し早く着くのだが、1日に2本くらいしか接続していない。
レンタカーだと空港から4回曲がるだけで岩見沢に行くことができる。道がひたすらまっすぐの北海道だからこそなせる技だ。JRに比べてだいぶショートカットするので1時間ちょっとで岩見沢まで行くことができる。また、この道は自衛隊もよく走っている。熊本・大分震災の時は高速の岩見沢インターチェンジから新千歳空港まで、旭川や遠軽から来た部隊がこの道を通って九州に向かった。
この道中に気になっていた看板が二つある。一つは長沼町内にある「赤字丼」、もう一つが岩見沢に入ってすぐにある「夕陽ヶ丘レストラン 善生」だ。岩見沢市内というがもともとは栗沢町で、平成の大合併で岩見沢市栗沢になった。なので岩見沢市内と言われてもピンとこないのが実情だ。地元でも栗沢は栗沢のままだ。
レストラン善生
北海道に来ると食べたいものの優先順位として
- 蕎麦
- 海鮮
- ラーメン
となるため、二カ所ともなかなか立ち寄ることがなかったのだが、ふと思い立ってランチに立ち寄ってみようと思った。今日は土曜日で「赤字丼」は休みのため、善生に行くことにしたのだった。
店は丘の上にポツンとある。とても眺めがいい。店に入ると北海道らしい雄大な眺望とボサノバの流れるオシャレなカフェだ。店内は地元のマダムで席が埋まっていた。スーツを着ている中年男など一人もいない。夫婦でランチを楽しんでいる同世代が1組いるくらいだ。
ランチメニューも充実している。迷ったがまずは人気ナンバーワンのオリジナルランチ990円を注文する。ランチにはドリンクが付いているのだが、炭酸水を選べるのが嬉しい。なかなかないのではないだろうか。
オリジナルランチ990円
まずはサラダが運ばれてきた。オシャレだ。ますます自分が浮いてるような気がする。すぐにメインとスープ、ご飯が運ばれてきた。お米農家のレストランと銘打ってるだけあって、ご飯のおかわりは自由だ。ドレッシングは見た目よりもあっさりで、シャキシャキした野菜の食感がたまらない。
ドミグラスソースに味噌を合わせたビーフシチューの肉は箸でも簡単にちぎれるほど煮込まれている。味も濃すぎず薄すぎず上品だ。付け合わせの各種揚げ野菜もスープカレー文化を思わせる。タクアンすら甘すぎずしょっぱ過ぎず、これまた絶妙だ。思わずご飯をお代わりしてしまった。個人的にはもう少し固めに炊いてある方が好きだが、きっと客層の年齢が高めなことに配慮したのだろうと推測する。
何度も通いたくなるメニュー
これで990円は安いのではないか?などと思っていると、地元マダムなのだろうか、常連らしき女性客が入ってきた。関西弁で店員に声をかける。
「特製うどんがあったわよね。」
メニューには「母が打った手打ちうどん」というメニューがある。女将さんと思しき女性がこたえる。
「すいません、三月上旬で終わりました。母が畑仕事が忙しくなって…」
マダムが続けて問いかける。
「じゃあ豆乳うどんは?」
「細切りうどん 具沢山豆乳味噌スープ」のことだろう。女将がこたえる。
「それは明後日で終わりです。」
メニューには他にもトンカツやステーキ丼など、気になる料理がいくつもある。夕陽もぜひ見てみたい。だけどおっさん一人ではさすがに嫌だなぁ…。こんな調子では最低でも3回は来なければならないだろうか。
どうせ通り道にある。岩見沢には今年も何回か行くだろう。そのときの楽しみに取っておこうと思い、私は店を出た。
あ、赤字丼もあるんだった。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)