ついに手術日
洗濯したゆうたまの服を干しながら、赤ちゃんのサイズを実感する。新生児は50cm、一ヶ月もすれば50〜60cm用を着ることになる。一緒に干したけいたまの服は100cm。二年で身長は倍に、体重は3倍になる。あれ?これって栄養士の試験で勉強したような…
ついに手術の日。朝9時開始とのことで8時半に病院に着くつもりが、環状2号線が混んでいて、着いたのは8時45分。ギリギリ。入口付近に映えているノアザミが青空に映える。
病室に行くと妻は手術着に着替えていた。術後は病室が変わると言う。会話しているうちに担当の看護師さんが来て、手術室に誘導する。妻は緊張しているというが、笑いながら話すのであまり説得力がない。度胸は私よりも妻の方があるので、心配していない。
何を隠そう、私は案外ビビりだ。
妻と手を合わせて別れる。手術室の待合室で待つ。四十分ほどでゆうたまが生まれてくると言う。手術後に妻が食べる氷はいつ、誰に渡せばいいのだろうか。
四十分を過ぎても手術区画からは誰も出てこない。嫌な考えが頭をよぎる。ああ、そうだ。昨日、主治医が話していたっけ。
「反復(2回目以降の)帝王切開では、組織が癒着しているので、丁寧に手術をしますから、一時間ほどかかります。」
焦ることはない。まだ予定の時間ではないのだ。はやる気持ちを抑えて、娘の誕生を待つ。
ゆうたま誕生
しばらくして保育器を載せた台車が運ばれてきた。名前を呼ばれる。
「無事に生まれました。元気ですよー。体重はこれから量りますねー。」
上の子と同じく、生まれた時から髪の毛がフサフサだ。あたりをキョロキョロと見回している。外界に取り出され、戸惑っているかのようだ。看護士が言う。
「余裕ですね〜、自分の周りを見てますよ〜。」
ホッとした。写真を撮る。あとはお腹を縫合した妻が出てくるのを待つばかりだ。
ゆうたまに続いて五十分後に妻が出てきた。元気そうだ。妻が手を挙げているのでタッチする。
やったね!
手術は若い女医チームが担当していた。術後の説明で、二回目の妊娠なので、前回の帝王切開のために癒着が起きていて、子宮の筋肉が薄くなっていた。切ったはいいけど、縫うときにこれは子宮なの?ただの周囲の筋肉なの?と医師同士で相談、確認しながら縫合したので時間がかかったとのことだった。
妻は麻酔が効いて、下半身が動かないし、感覚もまったくないと言う。病室では電話もして大丈夫なので、母に連絡。看護士がこまめに呼吸と体温と出血の確認を行う。妻は手術中、天井に書かれている「笑気ガス」の意味が気になって仕方なかったと言う。ゆうたまが生まれるとBGMがハッピーバースデーに変わり、ものすごい大声で泣きだして驚いたそうだ。
母子ともに問題なく、ゆうたまは2784g。術後の検査がすべて終わると母子の対面だ。おっぱいを顔に近づけると、いきなり乳首をくわえて元気に飲みだすゆうたま。
すごい。
母子ともに元気なまま、早くおうちに帰れるといいね。待ってるよ。
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アラフィフで再婚して二人の子どもを授かりました。妻は初めて、私は二度目の育児を夫婦で頑張っています。