ここ数年、医学ドラマが流行っている。我が家でもドクターXは定番だし、ブラックペアンも面白かった。当然、ドラマに出てくる医学用語も覚えたりする。
「インオペ」
inoperable インオペラブルの略で「手術不能」という意味である。手術を中断し、何もせずに閉じるシーンなどで出てくる台詞であるが、実際に病院で使われる場合は、ドラマと違い、かなり深刻な話になる。
お昼前、目覚めたばかりの娘のゆうたまに、搾りたての母乳を哺乳瓶で飲ませていると、ゆうたまはなにか唸りながら力んでいた。ウンチをしてるのだろう。明らかに出ている音がした。腹筋を触ってみるとものすごく緊張している。飲みながら用を足すのは如何なものかと思うが、生まれて二ヶ月少々だから仕方がない。
母乳を飲み終えたゆうたまは、キョトンとした顔をしていた。ああ、そうだ。ウンチをしたのだったな。オムツをそっと開けてみる。
こ、これは…!
そこには、想定を超えた大量の便が溢れかえっていた。
無理だ。
お尻拭きも用意せず、不用意に布団の上でパンドラの箱を開けてしまったのだ。ここまで大規模におむつを浸潤した大便の処置など、無手の私ごときでは不可能である。
残念だ。
「インオペ。」
そう言って、オムツをそっと元に戻すと、見ていた妻がケラケラ笑っていた。昨晩、ゆうたまはいつになく不機嫌だった。朝五時頃まで断続的に起きては泣いていた。便秘が辛かったのか、ウンチが出てからはご機嫌のゆうたまであった。おむつは準備万端の妻が慣れた手つきで取り替えた。
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