2024年3月28日
自家製海鮮丼

海鮮丼と中耳炎の日々

妻の憂鬱

ゆうたまが中耳炎になってから一週間、まだまだ治らない。

「お母さんの一言にね、イラっとすることがあるの。」

ある日、妻がつぶやいた。ゆうたまが中耳炎になり、抗生剤を飲むが下痢してしまい、服用を止められた。抗生剤は病原菌を殺すが、腸内のビフィズス菌も被害を受けるためである。そのために乳幼児に抗生剤を服用するときは、整腸剤、つまりビフィズス菌も一緒に処方されるのである。

中耳炎の原因は判明している。インフルエンザ菌だ。かつて、19世紀にインフルエンザの原因菌とされたために命名された。現在はインフルエンザウイルスが原因だと知らない人の方が少ないだろう。二十世紀に電子顕微鏡が発明され、ウイルスが発見されるまで、伝染病は病原菌が原因と考えられていたのだ。野口英世の最期のセリフは「私には分からない」だったという。彼は黄熱病の原因が菌だと確信していたが、最後には仮説として唱えられていたウイルスかも知れないと考え、分からなくなったのだろうか。

なので、インフルエンザ菌は歴史的にはインフルエンザと密接な関係があるが、病気のインフルエンザとは何の関係もない。誰の体の中にも住んでいる常在菌だ。これが乳児や老人など、免疫力が弱い個体には牙をむくことがある。ゆうたまが入院した肺炎も常在菌が原因だった。

今回も同じく常在菌。ようやく一歳になったゆうたま。まだまだ日常との戦いが続く。最近は二分ほどは立っているようになった。そこからなぜかスクワットを始めるが、最初の一歩が出ない。まさにシンジが初めて初号機に乗った時のようだ。ただ、ゆうたまは寝てる間に暴走しないので、そこは安心だ。とは言え、寝返りで2~3メートルは転がるので、ある意味、暴走モードではある。

インフルエンザ菌には抗生物質が効果的だ。ところが下痢になったので飲めなくなったのだ。しかし放っておいても治りは遅くなるどころか、ひどくなる可能性もある。そこで点耳薬、目薬を点眼薬と呼ぶが、まさに耳の中に垂らす薬である。点耳したのちに薬がこぼれないように5~10分ほど、頭を固定しなければならない。その後、耳にガーゼを当てると薬がこぼれてくる。一緒に膿や血も出てくる。医者が言うには、洗浄も兼ねているとのことだ。

ゆうたまは固定されるのが大嫌い。椅子に座るのも嫌がる。車でもチャイルドシートが大嫌いだ。ご飯は動き回りながら食べる。犬猫の方がまだ落ち着いて食べるが、ミルクだけは例外で、定位置で静かに飲む。終わると哺乳瓶を放り投げる。なので、耳から薬が出ないように押さえつけるしかない。ゆうたまはギャン泣きするが仕方がない。

ある日、実家で妻がゆうたまに点耳をして押さえつけていたら、それをみた妻の母がボソッと言った。

「虐待してるみたい。」

イラっとする妻。それを見ていた妻の妹が母にガチギレ。母親は子に責任を負うが、もはや子育てなど30年以上前の事象であり、記憶の彼方へと追いやられた義母にとって、まさに他人事である。同じことを義母も妻や義妹に対して行っていたはずである。当時は必死だから覚えていないだけだ。まさかの身内からの他人事攻撃。妻や妹がキレるのも致し方ないだろう。

「私がおばあちゃんになった時は、お母さんみたいなこと言わないようにする。ブログに書いておいて。」

それはいいんだけど、私が死んだら、このブログのサーバー料金はだれが払うのだろうか。妻が払い続けるのだろうか。一抹の不安はあるが、書き記しておこう。デジタルでも安価とは言え、維持費が必要なのだ。

妻と海鮮丼の日々

北海道で調達した新鮮な魚介類を自宅で楽しむのが我が家の掟である。出張でのひそかな楽しみである。折り畳み式のソフトクーラーボックスを愛用しているが、こいつがなかなか保冷性能が高い。専用保冷剤を使用すれば、アイスクリームを9時間以上保持する能力があるので、大き目の保冷材か氷を入れておけば、8時間は冷蔵庫並みの温度をキープできるのだ。

自家製海鮮丼

出張から戻った日に食べれば鮮度が抜群なのであるが、疲労困憊で体力がなく、しかも夕食では主食を食べないようにしている関係で、海鮮丼を食べるのはランチだ。それでも新鮮な食材なので、2日くらいは鮮度が持つ。今回は生の北寄貝にイカ、平目にソイなどを買ったので、切ってご飯に盛る。へたくそなのだが、かつら剥きで大根のツマも切ってみた。同じく妻お手製の糠漬けを一緒に食べる。

うーん、至高である。

魚と刺身、ツマと醤油、それにワサビ、なんてすばらしい組み合わせなのだろうか。ごはんがもりもり進んでしまう。いつもより米の量も多めである。たまの贅沢だからこれでいいのだ。

自家製海鮮丼

翌日のランチも海鮮丼である。タコの刺身とたらこを追加した。ツマはご飯と魚の間に入れてみた。昨日より食感は落ちるが、うまみは増している。そしてタコの頭。実際には胴体なのだが、昔から私はこれが好きだ。若い頃に、父と父の友人らに葉山まで釣りに連れて行ったもらった。そのときに蛸壺をひっくり返して一匹いただき、家で捌いて食べた。そこでタコの頭の旨さを知ってしまったのだ。

自家製海鮮丼

旨味あふれる魚介類とそれらをしっかりと受け止めるご飯。加えて色鮮やかなたらこの塩味がいいアクセントになる。最近はゆうたまがたらこをお気に入りだ。もちろん加熱して食べるのだが、お粥に入れると喜んで食べる。

さて、十連休の間は出張もない。久しぶりに自宅でまったりだ。連休明けまでにゆうたまの中耳炎が治るように、しっかりと療養するのである。

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