2024年3月19日
弁天鉱泉からの夕焼け

家族旅行2019 千葉県 弁天温泉 温泉編

家族旅行に行くよ

一年前から計画し、三度も延期された家族旅行が、ようやく実現した。小さい子供は、体調がいつどうなるか分からない、読めない。一回目は風邪、二回目は中耳炎、三回目は水疱瘡と、ゆうたまが毎回毎回重篤な病気にかかり、その度に家族旅行が延期されてきた。今回も直前まで鼻水がひどかったので、半ばあきらめていたが、そこは一歳児、驚異的な回復力で旅行前日には体調が戻ったのである。

朝、飛行機で沖縄から羽田に飛ぶ。天気もいい。旅行日和だ。窓からは辺野古と大浦湾が眼下に見える。

辺野古空撮
辺野古付近

羽田空港でレンタカーを借りて、アクアラインを通り、房総半島へ入る。そして温泉旅館に宿泊する。これが本日のミッションである。ゆうたまは初めて、けいたまは生後四か月以来の空の旅。なにも分かっていないゆうたまは余裕でお茶を飲んでいた。

お茶を飲むゆうたま

無事に羽田空港に着き、タイムスレンタカーの送迎を待つ。空港から大鳥居の近くの店舗までバスで移動なのだが、移動に一時間もかかった。その上、私たちの前に手続きをしていた外国人が、窓口で色々と質問していたために、なかなか順番が回ってこない。ようやくレンタカーの手続きが終わったと思ったら、けいたまがうんちをしたいと言い出した。妻が慌ててトイレに連れて行く。結局、空港についてから車で出発するまでに二時間を要した。

次回からタイムスレンタカーは敬遠しよう。大手のレンタカー会社のときは、こんなに面倒ではなかった。

想定外の時間ロスがあったが、幸いなことに、空港から本日の宿泊先までは一時間ほどである。交通の便が良い。アクアラインの海底トンネルを通りながら、上を指さして、けいたまに言った。

「けいたま、この上は海だよ。」

けいたま、ニコニコして返答する。

「海なのー?」

あまりよく分かっていないようだ。

弁天温泉

鋸南富山インターで高速を降り、国道127号線を走る。岩井駅前を通り過ぎる。このあたりは妻とよく泊りに来た。見覚えのあるスーパーで物資を調達し、宿泊先に向かう。ぽつんと一軒だけの旅館である。

館内は手入れが行き届いていて、清潔な感じだ。広い空間にこどもたちは大喜び。玄関ホールから廊下を通って突き当りが部屋である。

客室は11部屋もあるのだが、今は一日四組限定で営業しているとのことだった。 旅行会社は通さず、予約時には現金書留で予約金をいただいているという。クレジットカードも使えない。ただ、じゃらんからは予約できる。客とのトラブルを防ぎたいこと、そして、マナーの悪い客を宿泊させたくないとのことで、わざわざこんな面倒な仕組みを採用しているとのことであった。一度、宿泊してもらえば、どんなお客さんなのかが分かるので、リピーターは予約金不要とのことだ。国立音大出身のご主人は、なかなかのアイデアマンであった。

客室が素晴らし

案内された部屋は和室だが、きれいにリフォームしてある。もとは団体用の大広間を改造したかのようだ。ダイニングとリビング兼寝室の二部屋になっている。和室だが食事はテーブルと椅子なので、膝が弱い私にはとてもやさしい。

特筆すべきは、部屋から望む庭園の景色だ。

和室からの眺め

飛行機が羽田に到着したのは午後1時前であったが、タイムスレンタカーを出発したのが午後3時くらいだったので、宿に着いたのは午後5時前であった。空は少し夕方の表情をし始めていた。部屋のサッシを開けて、庭に出てみる。素晴らしい眺めだ。

深夜に部屋の電気をすべて消し、窓を開けて空を見上げた。天の川は見えなかったが、たくさんの星が輝いていた。なんとか写真に収めようとチャレンジしたが、うまくいかなかった。

翌朝、天気は快晴。昨日とは全く違う景色である。右手の高台が露天風呂になっている。

源泉かけ流しの内湯

中庭の景色を楽しんだのちは、食事までに風呂に浸かることになった。娘たちは妻が入れるというので、私はひとり、男湯へ向かう。

内湯は源泉かけ流し。と言っても、鉱泉なので加温してある。お湯の色は、一日に数回変わるという、珍しい源泉を持つ。もちろん、泉質は言うことなしである。

ここが源泉だ。敷地内にある自家源泉で、飲用も可能である。

素晴らしい景色の露天風呂

露天風呂は、内湯がある廊下の突き当りから外に出る。ドアの外に置いてあるサンダルを履き、おそるおそる細い道を歩く。坂を登りきったところに、脱衣所と露天風呂がある。こちらは温泉ではない。素晴らしく開放的な、眺望の良い風呂である。

お湯につかって、のんびりと夕焼けを眺める。コンコンと湧き出るお湯の音と、風や波の音しか聞こえない。ときおり車が通る音も聴こえるが、基本的に静かだ。静謐な空気の中で、素晴らしい露天風呂に、美しい景色を見ながらのんびりと浸かる。極上の空間である。ただ、小さな子供を連れてくるのは、少し心もとない。大人の贅沢なのだ。

こんな素晴らしい風呂があると言うのに、あと3年ほどで宿を閉めると言う。ご主人も七十歳を過ぎ、従業員もみな高齢だ。お子さんたちは家を出て、後を継ぐ気は無いと言う。ぜひ、営業中にもう一度泊りに来てください、とのことだった。

ふたりでまったり

旅館にはWiFiがあるので、ネットに問題なくアクセスできる。娘たちはそれぞれのデバイスで、まったりと夜を楽しんでいた。私と妻は久しぶりにのんびりと晩酌だ。

旅行はいい。宿はいい。何もしなくてもご飯が出てくる。片付けもしなくていい。湯船につかれる。しかも温泉だ。沖縄では味わえないお風呂なのである。

次は食事編である。

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