父子家庭生活が始まって三週間になる。早朝、寝ていたところ、けいたまに呼ばれた。
「パパ。」
けいたまは朝が苦手だ。驚いてけいたまを見ると、上半身が起き上がっている。寝かせてタオルケットをかけるが、しばらくするとまた私を呼ぶ。
「パパ。」
泣いてないので、調子が悪いわけでもない。「クー(けいたまはミルクをクーと呼ぶ)」とも言わないから、空腹でもない。なぜだろうか。おむつを触ってみる。おしっこでパンパンだ。交換すると、けいたまはすやすや熟睡。気持ち悪かったんだな。
水曜日になり、入院中の妻の診察が済んだ。
- 26週 頸管長 20mm ゆうたま 1000g弱
- 27週 頸管長 18mm ゆうたま 1000g
- 28週 頸管長 24mm ゆうたま 1000g強
- 29週 頸管長 17mm ゆうたま 1200g
残念。3月3日にけいたまの保育園でおゆうぎ会があるのだが、私は徳島に出張だ。妻が一時退院に向けて主治医と相談していたのだが、目論見はみごとに崩れ去った。ああ、神は乗り越えられない試練を人には与えないのではなかったのか。その日は実家も旧16日でてんてこまいだ。
沖縄はアジア各国と同様に旧暦の正月を祝う地域がある。もちろん、年末年始もきっちり正月を祝う。そして旧16日とはグソー(あの世)の正月なのだ。昨年、義弟が亡くなったので、三年間は喪に服すために正月も盆もないのだが、だからこそ今年の旧16日は大事なのだ。
結局、けいたまは義妹が見てくれることになった。最近、家でもよく踊っている。「糸巻き巻き」に「結ンデ開イテ羅刹ト骸」じゃなくて、ただの「結んで開いて」に「ひげじいさん」、もちろんけいたまはアンパンマンバージョンにも対応済みだ。みんなで踊っているところを見たかった。
む、無念じゃ。
まだまだ退院まで先が長い妻は、リトドリンという薬を24時間点滴している。これを長期に渡って投与すると肝機能が悪くなる人が少なくないそうだ。そうなると代わりにマグセントと言う薬を使うのだが、こいつを使うとき、血中濃度を上げるために、最初から大量に点滴で注入するので、血管が拡張して神経を圧迫し、激しい痛みがあるとのこと。尿量も毎回測定。副作用がきつくてだるくて、歩くときに子鹿みたいにプルプルするとかで大変なのだそうだ。
妻と同室の人は全員経験したそうで、一人はリトドリンでアレルギーが出たためにマグセントに切り替えたのだが、アレルギーの方がマシだと主治医に訴えてリトドリンに戻したとのこと。今は向かいのベッドの人がマグセントと戦ってるとのことだ。
妻は医師からの使用宣告を戦々恐々と待っているらしい。
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アラフィフで再婚して二人の子どもを授かりました。妻は初めて、私は二度目の育児を夫婦で頑張っています。